この方法で生きのびよ!
2015年09月03日
付箋数:21
著者、ビジネス戦略コンサルタントの鈴木博毅さんから
献本いただきました。ありがとうございます。
「 “歴史は繰り返す” とは有名な言葉です。
それが100%真実でないとしても、 “繰り返し出現する
何らかの出来事” は必ずあるものです。
本書では、ビジネスと私たちの日常生活にスポットを当て、
どんなことが繰り返し起こるのか、単に過去の出来事を
知るだけでなく、何を、どう選択すべきなのかを分析・解説
していきます。」
本書は、これからの時代の生きのび方を、歴史から学ぶ本です。
例えば、1900年代初めのニューヨーク。
当時は、自動車が市販化されて10年ほど経っていましたが、
移動の中心手段は「馬」でした。
1日あたり数千トンの馬糞や膨大な尿が路上に垂れ流され、
街中が驚くほどひどい臭いに満ちた状態でしたが、
当時の人々にとっては、それが当たり前の光景でした。
ジャーナリストとして働いていたマーク・サリバンさんは、
30年後に当時を振り返って語ったそうです。
「街中でめったに馬を見ることのない時代が来るなど、
とうてい信じられない予言に思えた」
発売当初の自動車は、高価で多くの欠点を持っていたため、
市民に普及することなど、誰にも想像できなかったのです。
しかし、1908年にT型フォードが発売されると、
時代が急速に動き始めます。
高価で使えないと思われていた自動車が、
街から馬を消滅させ始めたのです。
ニューヨークで起こったのは「代替」という社会変化でした。
「 “代替” とは、ほかの人やモノで置き替えられることです。
置き替わる側(進出側)と、置き替えられる側(消滅側)は、
運命のカードの裏表のような存在であり、演劇の幸運な主人公と
悲劇の主人公のごとき違いがあります。」
すべての人と産業は、いつかは「代替」に直面します。
今ある日常が、永遠に続くと考えてはいけないのです。
これからの時代、私たちが生き残っていくには、
常に新しい役割を追求し、生存範囲を広げていく
必要があるようです。
本書では、このように社会を大きく変化させる要因を
「5つの氷山」として表現しています。
「氷山は、冷たい海の中に浮かび、時代の変化とともに
私たちの乗る船にゆっくりと近づいてきます。
静かに忍び寄る “変化” は、やがて私たちが乗る船の
前提条件を大きく変えてしまいます。
5つの氷山が船に当たると “巨大な変化” が引き起こされ、
沈むことなど想像もできなかった船さえ簡単に沈没させて
しまうのです。」
鈴木さんの言う「氷山」は、いわゆるパラダイムシフトを
意味し、「船」は、私たちが所属している組織や、
ビジネスの枠組みを表しています。
氷山1「代替」=社会を一変する力
氷山2「新芽」=過去と決別した成果
氷山3「非常識」=変化に対応する思考
氷山4「拡散」=足枷を解放した効果
氷山5「増殖」=拡大を続ける構造
歴史の中で、繰り返しやってくる氷山の特性を知っていれば、
避ける事もできますし、場合によっては氷山に乗って進むことも
できるようです。

「氷山の接近=時代の変化」の兆しは、
次の5つのシーンなどから感じ取れるようです。
・だれかが、日常の買い物で何かの代替品を買い始めたとき
・だれかが、やるべきだった役割を手離したとき
・だれかが、新しい世界観を社会に投げかけたとき
・だれかが、解決のため新しい何かを持ち込んだとき
・だれかが、同じ思いを抱く者を増やし始めたとき
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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