活かす読書
ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

グチの教科書

2015年09月02日
交渉術・伝える力・論理・人脈 0
満足度★★★
付箋数:22

   「グチにも良いグチと悪いグチがあります。
  グチはありたい状況と現在の状況に差があると言ってしまうもの。
  そうであれば、単に差を感じてストレスの発散をするためだけに
  言うのではなく、少しでもありたい状況や、次の成果に
  つなげられるように言った方がずっと良いのです。」

言葉は人生を作ります。

良いグチを言うか、悪いグチを言うかで、自分の人生が
大きく変わり、グチを聞いた他人の人生にも影響を与えます。

たがかグチだと侮ってはいけません。

  「グチを征するものは人生を征する」

どうせグチるなら、仕事で成果が出て、人生を良い方向に変える
良いグチを言いましょう、というのが本書のコンセプトです。

著者は産業カウンセラーの原祐美子さんです。

例えば、あなたが1週間かけて準備した資料を上司に
提出したところ次のように言われたとします。

  「この資料、図も入っていないし、言葉も足りない。
  わかりにくいよ。やり直して」

かなり労力をかけて、やっと作った資料のダメ出しですから、
誰もが少しはグチりたくなるシチュエーションです。

この場面で、本書では2種類のグチ例が示されています。

  A 「図を入れろなんて言われてないし、わかりにくいって
   人それぞれじゃん。あの上司になってから本当についていないな」

  B 「あー。ダメ出しされた。結構頑張ったのにな・・・・。
   でも、見た人がわかりにく資料じゃしかたないな。
   図を入れたらもっと良くなるかな」

同じ状況でのグチですが、圧倒的に良いのは、「B」のグチです。

ありたい状況が言えていて、次につながる言葉があるからです。

本書では、グチが出るメカニズムを説明し、
ネガティブなグチをポジティブに言い換えるコツを紹介します。

そのうえで、グチが出やすい「仕事で」、「人間関係で」、
「自分自身へ」、「世の中に対して」の4つのシーンで、
正しいグチリ方を解説します。

この中で、「人間関係のグチり方」のポイントは次の通りです。

  1. 「親しき仲にも礼儀なし」にしない
  2. 自分のルールに従ってもらうなら「お願い」
  3. 相手の理解できる言葉と受け取りやすい内容で
  4. 「相手のため」と「自分のため」を混同しない
  5. つかず離れず、自立する 陰湿なグチになる前に気づこう
  6. 思い込みを外す
  7. 相手への愛を見つけて、その愛を表現する
  8. 嫌だと感じる言葉・態度の裏にある相手の真意をはかる
  9. ダメージコントロールをする(グチったら、良いことも言う)
  10. 本人に直接言って、最後は笑い合おう

人間関係のグチり方では、我が家でよくあるパターンの事例が
紹介されていました。

  例)わかめの味噌汁が朝食に出て

  悪いグチ 「うちっていつもわかめのお味噌汁ばっかり」

  良いグチ 「今度、なすとたまねぎの入ったお味噌汁を
       作ってもらいたいな」

我が家では、妻が作ってくれた料理に対して、
娘と私が口を揃えて「また、これ?」的なことを言ってしまい、
険悪になることもしばしば。

出された料理の否定をするのではなく、今度作って欲しい
料理を言うようにすると、丸く収まるんですね。

娘共々、気をつけたいと思います。

この本から何を活かすか?

  仕事でグチを言う前に意識すべきこと

仕事に関するネガティブなグチは、次の2点を意識するだけで、
かなりグチの発生が抑えられるようです。

  ・どんな仕事にも終わり(期限)があること
  ・仕事は組織の利益を優先する場であること

言われてみると、当然のことかもしれませんが、
感情的になっている時は、こういった仕事の前提が
忘れられているのでしょう。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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