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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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孫正義の焦燥

満足度★★★★
付箋数:23

ソフトバンクが今後も持続的に成長するために、
孫正義さんはどのような人材を集めているのでしょうか?

本書では、これまでほとんどメディアに登場していない、
孫さんが社内で重用する人物が紹介されていました。

その人物とは、孫さんが「ビル・ゲイツを超える天才」と称する、
ソフトバンクモバイル常務執行役員の筒井多圭志さんです。

筒井さんは、ネットワーク技術者の間では有名ですが、
経営に関わるところでは、名前のあがる方ではないようです。

  「うちの秘密兵器だよ。どうせ人前に出しても
  会話が通じないから、秘密のままだ(笑)。

  筒井と唯一コミュニケーションを取れるのは俺ぐらいしか
  いないんじゃないかな。普通の会社だったら絶対重用されないね。」

孫さんは、筒井さんについてこのように語ります。

東京大学のコンピュータークラブ出身の伝説的な人物で、
ビル・ゲイツさんがBASICのインタープリターを1人で書いた
という頃に、筒井さんはそれより難しいBASICのコンパイラーを
1人で書いたそうです。

しかし、筒井さんは、親に「コンピューターとか、
訳分からないものばかりやっている」と泣かれたため、
京都大学の医学部へ入り直します。

入った先の京大医学部では教授が、
筒井さんに次のように言ったそうです。

  「君みたいな天才的な頭脳の学生に今まで会ったことがない。
  だけど、お願いだから、患者には触れるな」

かなり特殊な人物のようですが、それだけ魅力がありますね。

技術的には、ソフトバンクでかなり大きな貢献をしています。

普通のエンジニアは1つの分野に深いですが、
筒井さんは広い範囲で深い。

だから複合的な難題でも筒井さんなら解決でき、
革新的な技術を生み出せるようです。

  「技術の重要な根幹はすべて筒井だよ。日常のオペレーションは、
  いろんな専門家がやるんだけど、ヤフー!BBもすべて
  筒井が基本設計をしたし、今のTD-LTE(高速通信規格の1つ)も
  すべて筒井だし。重要な技術の分れ道の時に、俺が唯一意見を
  求めるのは筒井だよ。会議にいつも遅れてくるんだよ。
  『ああ、寝てしまった』って。俺がいつも大事な会議の時、
  『筒井を呼べ。筒井はどこだ』と。携帯に電話するとやって来る」

もの凄い高次元の技術を持つ筒井さんですが、
孫さんは他社に引き抜かれる心配はしていないようです。

  「まず筒井の価値をよその会社では理解できない。制御不能だし。
  他の役員や人事の本部長に、筒井の年俸をつけろというと、
  ほとんど下になるわけ。」

さて、ここでは孫さんの腹心の1人を紹介しましたが、
本書は「日経エコロジー」の記者、大西孝弘さんが、
「経営者」としての孫正義さんの実像に迫った本です。

孫さんご本人や関係者へのインタビューをもとに、
これまでの経営判断を振り返りながら、
孫さんが歴史に名を残す経営者になるために、
これらのどんな課題に立ち向かうのかをレポートします。

大西さんは、2015年春の最後のインタビューの際に、
これまで事業を成功させてきた心境を、孫さんに問いました。

その時の回答が本書のタイトルになっています。

  「俺はまだやりたいこと、やるべきことの100分の1も成し遂げて
  いない。まだスタートラインに立ったところという意識だよ」

最近、失速している感が否めないソフトバンクですが、
孫さんの挑戦する気持ちは、切れていないようです。

この本から何を活かすか?

  「孫さんには常々、 “気が散ることはするな” と言っています。
  あれが孫さんの一大欠点。欲しいものが多いんですよ。
  それを自分が生かせるならいいが、生かせないものは
  儲かったとしても買うべきではありません。
  彼は実業家という面と投資家という面がある。本当に本命の企業を
  買うならいいけど、投資家の側面は封印してもらいたい。」

これは柳井正さんへのインタビューで出た、孫さんに対する言葉。

しかし、最近のアリババの上場益の例もあるので、
個人的には投資家の側面は外せないような気がします。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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