相場ローテーションを読んでお金を増やそう
相場ローテーションを読んでお金を増やそう―次の株高はいつ始まる?
(2008/02)
岡崎 良介 商品詳細を見る
満足度★★★★
・米国不動産の下落は2009年まで続く
・2008年秋ごろ米国株の下降トレンドは終了し、上昇へ
・米国株に連動して日本株も上昇し、小型株・新興企業株が復活
・2008年を通して為替はドル安円高
これが本書の著者・岡崎良介さんの予想するメインシナリオです。
岡崎さんは「すべての相場は循環する」ことを大前提とし、
大きなローテンションのグループ(株、不動産、金、原油)と
小さなローテーションのグループ(金利、為替、商品指数)に分け、
数多くのデータを分析しました。
その結果、分散投資で保有するだけでは不十分という結論に達し、
「アセット・ローテーション」という資産運用方法を考案しました。
この「アセット・ローテーション」という手法では、
通常の分散投資で行うリバランスを、相場の循環性を元に行います。
つまり、循環パターンから相場のトレンドを先読みして、
下降トレンドに入った資産の組み入れを減らす一方、
上昇トレンドに入った資産の組み入れを増やします。
確かに、単純にリバランスするより、
もし同じ循環パターンをたどると仮定するなら、
その流れに基づいて資産を組み替える方が、
パフォーマンスは向上しますね。
ある程度、相場の分析をやったことのある方なら、
わかると思いますが、岡崎さんの行ったデータ分析は、
相当骨の折れる作業です。
特に、分析を始めるにあたっての最初の条件設定は、
結果を左右しますから、慎重にならざるを得ません。
冒頭の岡崎さんが予想するシナリオが、
当たるかどうは、誰にも分かりませんし、
導き出した法則が、いつまで機能するも分かりません。
しかし、1575円で本書を購入することで、
最初の分析作業をスキップして、岡崎さんの導いた法則の
検証作業だけに専念できることは、ありがたいことです。この本から何を活かすか?
ちょっと長くなりますが、岡崎さんの導いた9つの法則を列挙します。
法則1. 米国REIT指数が高値から15%以上下落すると、
その時点から1年以内に米国株は高値から20%以上の下落となる。
法則2. 米国株が20%以上下落すると、日本株も20%以上下落する。
法則3. 米国が利上げを開始してから、平均7ヵ月後に
為替はドル高円安へと方向転換する。
法則4. 米国が利上げ期間にあっても、利上げを開始してから平均して
2年3ヵ月後には、為替はドル安円高へと方向転換してしまう。
法則5. 米国長期金利がボトムアウトしてから、平均して1年4ヵ月後に
為替はドル安円高からドル高円安へと転換する。
法則6. CRBがピークアウトしてから平均して1年半後に為替は
ドル高円安からドル安円高へと転換し、
CRBがボトムアウトしてから平均して2年4ヶ月後に為替は
ドル安円高からドル高円安へと方向転換する。
法則7. 円はユーロに遅れて循環し、対ドルで見て、円の安値はユーロが
安値をつけてから1年11ヶ月以内に、円の高値はユーロが高値を
つけてから1年2ヶ月以内に訪れる。
法則8. 円安ではなく円高の時代こそが日本株投資に有利な時代となる。
法則9. 米国不動産市場の上昇は日米欧の協調利下げから始まる。
詳しい基準は、本書を参照してください。
私も、これからじっくり、この法則を検証したいと思います。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
- 関連記事
-
- バリュー投資の強化書 (2008/07/09)
- 相場ローテーションを読んでお金を増やそう (2008/05/14)
- ETF投資入門 (2008/05/10)