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「西武」堤一族支配の崩壊

満足度★★★
付箋数:17

さくら舎さんから献本頂きました。ありがとうございます。

本書は、堤家が支配していた西武王国が自壊した真相を描く本。

  「西武グループが事実上崩壊した直後から、次々と西武を暴く
  書籍が書店に山積みされた。2004年春のことである。
  多くの週刊誌、経済誌などが、私に接触してきた。
  しかし、彼らの意図するところは、堤義明批判であり、
  彼への人格攻撃であった。(中略)

  しかし、そうした著作物と私のそれとは、かなり味が
  異なっていると思う。いっさいのベクトルをフリーにして
  書いたつもりである。事実を事実として記し、
  もちろん推測によらざるをえない部分はあるにしても、
  脚色はいっさい施していないつもりだ。
  これは私流の “西武解剖史” である。」

西武グループと堤一族について、丹念に取材して
書かれた本ではありますが、個人的に興味を抱いたのは、
著者の広岡友紀(女性)さんのプロフィールです。

本書の帯にも「堤家の関係者だから書ける」とあります。

いったい、どんな関係者なのでしょうか?

プロフィールには、次のように書かれています。

  「東京都に生まれる。堤一族の関係者。
  マサチューセッツ工科大学を卒業。
  米国系航空会社客室乗務員を経て、鉄道・航空アナリストとなる。
  鉄道と航空の科学の第一人者。」

広岡さんが、堤一族のどういう関係者なのかは、
あまり詳しく記されていません。

しかし、本書の中に、広岡さんが高校時代から
東京プリンスホテルによく利用していたエピソードが
紹介されていました。

原文のままだと、長いので要約して紹介します。

  ・生まれてすぐ神戸の名家の幼女に出された。
  ・学校に通うようになってから、東京の実家で暮らす。
  ・神戸の親に顔見せのため、月に2度、東京と関西を往復した。
  ・それが電車好きを刺激して、鉄道と航空の専門家になった。
  ・高校時代は夜遊びすると、東京プリンスホテルに宿泊した。

さて、本書の内容ですが、事実を1つずつ明かすことで、
堤一族の確執や西武王国の闇の部分にも触れています。

一族の骨肉の争いについても、スキャンダラスな描き方はせず、
事実を淡々と語るように書かれています。

  「西武グループほど日本的企業構造を内在する会社はない。
  堤康次郎が唱え、西武の社是としてたてまつられてきた
   “感謝と奉仕” は、換言すれば “滅私奉公” ともとれる。
  現在にいたるまで、この伝統が受け継がれ、西武グループという
  企業集団の個性になっているが、その同族的な閉鎖社会の長として
  君臨してきたのが堤義明である。」

西武鉄道は、総会屋不正利益供与事件により、
2004年12月に上場廃止となりました。

天皇と呼ばれた堤義明さんは、2005年3月3日、
証券取引法違反の疑いで東京地検特捜部によって逮捕。

その後、グループは再編され、西武ホールディングスとして、
2014年4月23日に東京証券取引所第1部に再上場しています。

果たして、あれだけ色濃く堤一族のDNAが残っていたグループが
その体質を変えることができたのでしょうか?

本書を読む限りでは、西武グループが、
本当に生まれ変わるようには思えませんでした。

この本から何を活かすか?

私は、これまでの人生で一番利用しているホテルが
プリンスホテルです。

ここ20年ぐらいは、スキーシーズンになると、
毎年数日は新富良野プリンスホテルに宿泊しています。

本書では、プリンスホテルについて「1.5流」とか、
「料理に疎い」という書かれ方をしていました。

よく利用している立場からすると、
その印象は、わからないでもありません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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