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論理が伝わる 世界標準の「議論の技術」

満足度★★★★
付箋数:26

A氏とB氏、2人が議論をしています。

 A氏:「当社は国内ソフトウェア開発部門を大幅に縮小し、
    ソフトウェア開発の拠点を中国に移すべきです。
    人件費が日本の4分の1なので、大幅なコスト削減が
    実現できます。
    事実、Q社は来年、中国事業所を稼働開始の予定です。」

 B氏:「なぜ、インドではなく、中国なのですか?
    ソフトウェアの開発なら、インドの方が適切ではありませんか?」

このとき、A氏はどのように返すべきでしょうか?

なぜ、インドより中国が適しているのかと問われると、
「なぜなら、中国のほうが・・・」とその理由を説明がちに
なりますが、決してそのように答えてはいけません。

論理的な議論を行うには、守るべき基本ルールがあります。

その1つは、言い出した側に「立証責任」があること。

裁判でも同じですが、何かを主張をする場合には、
その主張を言い出した側に、根拠を説明する義務があります。

立証責任は非常に重いので、相手が立証すべきときに、
自ら立証責任を負ってはいけません。

もし、相手が立証責任を果たしていなければ、
まず相手に立証するように促します。

負う必要のない相手の立証責任を負ってはいけませんし、
相手が立証する前に、反論してもいけないのです。

例として挙げたA氏とB氏の議論では、
B氏は「インドの方が適切である」ことを立証していません。

ですから、ここでA氏は次のように答えるべきなのです。

  「なぜ、中国よりインドが適切とお考えですか?
  インドが適切な理由をご説明ください」

自分が議論が得意だと勘違いしている人は、
往々にして、自説を説明したがります。

相手を言い負かしたいので、自分の主張を
機関銃のように話し、相手から反論の時間を奪って、
自分が話す時間を増やそうとします。

ですから、議論が得意だと勘違いしている人には、
「なぜ?」と立証責任を負わせます。

説明したくてしかたがないので、「なぜ?」と振られると、
得意になって、なぜかを説明してくれます。

なぜかを答えたら、すぐに反論せず、更にその説明に対し、
「なぜか?」を繰り返し質問して、
相手の論理が、行き詰まって破綻するのを待ちます。

一方、本当に議論の得意な人は、立証責任の重さを知っているので、
自ら説明を買って出たりしません。

自分から話さない代わりに、相手の主張を注意深く聞いて、
主張の矛盾を見つけ出し、論証型の反論を行うのです。

ただし、相手に立証責任を負わせるのは、あくまで健全な
議論をするためです。

議論は勝つために行うものではありません。

自分にとっても相手にとっても、最適な結論を導き出すために
行うのです。

本書はブルーバックスから刊行されている倉島保美さんの
「論理が伝わる」シリーズ第3弾。

このシリーズ、本書も含め、いずれも良作です。

論理が伝わる 世界標準の「書く技術」』では、ロジック表現を、
論理が伝わる 世界標準の「プレゼン術」』では、ロジック構築を
学びます。

本書では「ロジック論証」を中心に議論の技術を学びます。

練習問題が多く掲載されているので、理解できているか
確かめながら読み進めることができます。

この本から何を活かすか?

  反論には、「主張型反論」と「論証型反論」の2種類がある

主張型反論とは、なぜ「~すべきか/~すべきでないか」を
の述べる反論です。

論証型反論とは、相手の述べる根拠では主張が
成立しないことを述べる反論です。

論理的な議論は、両方の型の反論がなされて、
初めて成立しますが、議論を深めるのは「論証型反論」です。

議論がかみ合わず、平行線をたどる場合は、
双方が「主張型反論」ばかりをしているからのようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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実社会ではともかく……。:論理が伝わる 世界標準の「議論の技術」 Win-Winへと導く5つの技法

論理が伝わる 世界標準の「議論の技術」 Win-Winへと導く5つの技法 (ブルーバックス)出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/05/20メディア: Kindle版 「論理が伝わる 世界標準の「書く技術」」、「論理が伝わる 世界標準の「プレゼン術」」のシリーズ。 基本はルールに沿ってロジカルに議論をすることでWin-Winを達成することができる。という内容を説明するための本。...

| 本読みの記録 | 2015/07/05 22:41 |

論理が伝わる 世界標準の「議論の技術」 倉島 保美著

また、主張に対して反論した場合、その反論に対する立証責任が必要になります。 ...論理が伝わる 世界標準の「議論の技術」 Win-Winへと導く5つの技法』倉島保美

| 読書による経験価値 | 2015/11/29 17:25 |

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