活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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超したたか勉強術



満足度★★★
付箋数:24

  「ビジネスパーソンならば、重要な取引先と親睦を深める意味で
  会食する機会があるはずだ。そういう席では、お互いの日常や
  家族のこと、趣味から人気のテレビドラマまで、あらゆる話題が
  酒の肴になる。しかし、ただ談笑するだけではないはずだ。
  あなたは、他愛もない話に見え隠れする、相手のユーモアのセンス、
  機転、教養など、また自己顕示の程度などから、その人の “力量”
  を推し測っていることだろう。それは相手も同じである。
  あなたの実力がいかほどか、さりげなく測っている。」

本書はそういった会食の席でも、自分なりの視座をもって
話ができるだけの実力を身につけるための本。

もちろん教養を他人に見せつけることが目的ではなく、
一般のビジネスパーソンにとっては、これからの時代を
生き残っていくための思考力を身につけることが目的です。

本書の著者は先日も池上彰さんとの対談本を紹介した、
「知の怪物」とも言われる佐藤優さん。

  「あなたを取り巻く状況は、刻一刻と変化しているのだ。
  その変化を察知し、行方を予想して身の処し方をアップデート
  していく必要がある。(中略、企業に籍を置いていても)
  組織の理論と折り合いをつけつつ、自分なりの仕事の羅針盤をもち、
  そのことが組織にとって有益だと認識させるだけの “したたかさ” 
  がなければ、生き残りは難しい。」

では、自分なりの視座はどのように身につけるのでしょうか?

新聞や雑誌、ネットの情報をただ眺めただけでは身につきません。

佐藤さんは、次の順序で「思考の鋳型」を作ることを勧めます。

  1. 基礎教養力を身につける
  2. 情報収集
  3. 基礎教養と収集した情報の運用
  4. 内在的論理を探る

基礎教養力をつけるためには、『もういちど読む山川日本史』、
もういちど読む山川世界史』や高校の歴史教科書「日本史A」と
「世界史A」が推奨されています。

大学受験に向けて高校で使う網羅的な「日本史B」と「世界史B」
ではなく、主に実業高校などで使われる「A」の方が
ビジネスパーソンが教養を身につけるには適しているようです。

そして、本書では『イギリスの歴史』を教材として、
思考力を身につけるためのケーススタディを掲載します。

このケーススタディが本書の目玉で、多くのページを割きます。

ところで、なぜ『イギリスの歴史』を使うのでしょうか?

これは明石書店が刊行する世界の教科書シリーズの中の1冊で、
イギリスの11歳から14歳までの中等教育を受ける生徒向けに
書かれた150ページ程度の歴史教科書です。

この教科書は網羅的な知識を身につけさせようとするのではなく、
かつての帝国主義政策が、自分の身の回りにおいてどのような
意味をもっているのかを、徹底的に考えさせるように
書かれているそうです。

徹頭徹尾、帝国主義政策の失敗の研究になっていて、
編集者自身もこの教科書のあり方に疑義を投げかけていると
佐藤さんは解説します。

ですから、「日本史A」と「世界史A」などで基礎教養を
習得した後、得た知識をどのように運用するかの訓練として、
イギリスの歴史教科書を使うことが「思考の鋳型」を
鍛えることになるようです。

この本から何を活かすか?

  「ある人物が頑なに主張することに論理整合性を見いだせない
  場合は、その主張が当該人物の内面の問題に起因していることが
  しばしばある。その場合は生育史などを含めた情念面からの
  アプローチをとってみると、意外な発見がある。」

本書ではSTAP細胞論文をめぐる問題の小保方晴子さんの
会見内容について考察しています。

佐藤さんは、会見での小保方さんと記者とのかみ合わなさは、
論理の食い違いではなく、表現形式の食い違いと指摘します。

佐藤さんの説明で、なんとなく会見に違和感があった原因が
わかったような気がします。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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