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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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トマ・ピケティの新・資本論

トマ・ピケティの新・資本論トマ・ピケティの新・資本論
(2015/01/23)
トマ・ピケティ

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満足度★★★
付箋数:22

21世紀の資本』が世界的なベストセラーになって、
一大ブームが起こっているフランスの経済学者トマ・ピケティさん。

ピケティさんは、過去200年以上の膨大なデータを分析して、
「所得と富は富裕層に集まる」ことを証明しました。

これは資本主義が発展すると、隅々まで富が行き渡り、
所得配分は平等化するという経済学の定説を覆すものでしたが、
実際は格差が広がっているだろうなと、多くの人が実感している
ことを数値で裏付けるものでした。

資本収益率(r)が所得成長率(g)よりも高い状態、
「r>g」が続くことによって、ますます富が集中することを
各国の歴史データで示しています。

そして、この格差を解消するためにグローバル累進課税を
導入することを提唱し、大きな議論を呼びました。

日本では『21世紀の資本』が、山形浩生さんの翻訳で
2014年12月に刊行されました。

ただし、この本は700ページ超の大作で、
定価も6000円近いこともあり、解説本がいくつも出て、
新聞や雑誌でも多くの特集記事が掲載されることになります。

ニューズウィーク誌では、「ピケティ狂騒曲」というタイトルで
このブームの真価を問う特集まで組まれましたね。

さて、本書はそんな世界的に注目されるピケティさんが、
フランスの新聞に連載していた時評をまとめたもの。

  「本書は、フランスの日刊全国紙リベラシオンに2004年9月から
  2012年1月まで毎月連載した時評を、加筆訂正せずにまとめた
  ものである。いま読むと古くなってしまったものもあるが、
  そうでないものもある。全体として本書は、社会科学の一研究者が
  日々世界を理解し分析して、世の中の議論に一石を投じようとした
  試みといえよう。この試みを通じて筆者は、研究者としての
  立場と責任を、市民としての立場と責任を融合させようと
  努めたつもりである。」

日本版の刊行にあたっては、2014年6月までの時評が追加され、
古くなったものや、テーマが重複するものは割愛され、
全部で83本の時評が掲載年月順に並べられています。

  第1部 ミルトン・フリードマンに捧ぐ(2005~2006)
  第2部 公的資金注入合戦(2007~2009)
  第3部 リリアンヌ・ベタンクールは税金を納めているか?
      (2010~2011)
  第4部 経済成長はヨーロッパを救うか(2012~2014)

1つのトピックで4ページの読み切りで、政治や経済、
税制や社会保障など様々なテーマが扱われています。

400ページを超える本書ですが、元は新聞コラムなので、
サクサクと読み進めることができます。

前フランス大統領のニコラ・サルコジさんや、
現大統領のフランソワ・オランドなど、
次から次へとダメ出しをしています。

鋭い視点と辛口な物言いは、読んでいて痛快そのもの。

もちろんフランス国内問題については、
私たち日本人にとって馴染みのないことも多くありますが、
この批判は日本に当てはまるというのがいくつもありました。

本書は『21世紀の資本』のような大著ではありませんが、
ピケティさんの考え方を手軽に知ることができる一冊です。

この本から何を活かすか?

2011年10月の時評より

  「みんなスティーブ・ジョブズが大好きだ。
  ジョブズはビル・ゲイツ以上に好感度の高い起業家の代表格であり、
  大金持ちであって当然だと考えられている。(中略)
  しかし、まず疑問を感じるのは、イノベーターである
  ジョブズの資産が、ウィンドウズの上がりで食べている
  ゲイツの資産の6分の1にすぎないことだ。
  この事実は、競争原理にはいまなお改善の余地があることを
  示しているように思われる。」

本書では、この流れで世界一裕福な女性と言われる
リリアンヌ・ベタンクールさんの例も出し、富の集中を説明します。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 経済・行動経済学 | 06:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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