天才たちが愛した美しい数式

天才たちが愛した美しい数式
(2007/12/18)
桜井 進 商品詳細を見る
満足度★★★★
あなたは、「対数」に対して、どんな印象を持っていますか?
logなんて、記憶の彼方に消えてしまっていたり、
高校で対数を習って、数学が嫌いになった人も多いかもしれません。
しかし、本書の著者・桜井進さんは、
「対数は、愛の結晶とも呼ぶべき数学」と言い、
本書では、発見者ジョン・ネイピアさんの生き様を、
壮絶なドラマとして語ります。
ネイピアさんは大航海時代に、「計算によって人命を救う」という
使命感に衝き動かされ、途方もない計算の世界に立ち向かった
結果として、対数が発見されます。
物語の内容は、本書を読んでいただく他ありませんが、
対数が現在の科学技術に、大きな影響を及ぼしていることは、
紛れもない事実ですし、このストーリーを読めば、
対数にアレルギーを持っている人も、素直に感動できるでしょう。
また本書では、他の偉大な数学者のエピソードも紹介されていますが、
特に日本人数学者の関孝和さん、仁科芳雄さん、谷山豊さんの
ドラマが詳しく紹介され、素晴らしい知的エンターテイメント作品に
仕上がっています。
途中にいくつもの、公式や数式がでてくるので、
それだけで目を背けたい人もいるかもしれません。
実際に私も、まったく理解できない式もたくさん登場します。
しかし、それを読み飛ばしてもなお、
本書は読むに値する一冊だと思います。

本書の監修は、東海大学教育研究所教授の中村義作さんです。
中村さんは、数理パズルの世界では有名で、
私も何冊か本を持っています。
そういえば、「パズルでひらめく 補助線の幾何学」は
買ってから、全然手をつけていないことを思い出しました。
ちょっと引っ張り出して、やってみます。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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