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「当たり前」の戦略思考

「当たり前」の戦略思考「当たり前」の戦略思考
(2014/11/26)
夏野 剛

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満足度★★★★
付箋数:25

モバイル市場での競合関係において、「Google」VS「Apple」、
または「Android」VS「iOS」という対立構図を
よく見かけることがあります。

しかし、慶應義塾大学大学特別招聘教授の夏野剛さんは、
これは大きな間違いであると指摘します。

なぜなら、GoogleとAppleでは、そもそもビジネスモデルが違うから。

Googleは広告収入がメインのビジネスモデルです。

一方、AppleはiPhoneやiPad、MacBook Proといった
ハードウェアを販売する端末メーカーで、
いかにしてハードの付加価値を高めるかを考えています。

だから、Appleは最初からiOSでモバイル市場を制覇しようとは
思っておらず、iOSはあくまでハードの価値を高めるための
道具と考えています。

この違いは、GoogleとAppleの売上が、何によって占められて
いるかを見ると一目瞭然。

さて本書では、ビジネスモデルの違いから「Microsoft」が、
モバイル市場において勝てない理由についても
考察しています。

これまでMicrosoftは、OSを販売することで収益を上げてきました。

同じビジネスモデルをモバイル市場でも踏襲すると、
Windowsのライセンスを各メーカーに販売することになります。

しかし、端末メーカー側から見ると、「無料のAndroid」と
「有料のWindows」のどちらかを選ぶことになりますから、
これは戦う前から結果は明らか。

ですからMicrosoftは、モバイル市場においては、
従来のOSで利益を生み出すのとは異なるビジネスモデルを
考え出さなければならないのです。

では、端末メーカーでは、今後Appleがシェアを拡大していく
のでしょうか?

夏野さんは、Appleの戦略上、それはあり得ないと考えます。

なぜなら、Appleは付加価値の高いものしか販売しないので、
圧倒的なシェアは必要ないからです。

マーケットに10%程度いるハイエンドユーザーに的を絞り
高い利益率を上げる戦略なので、最初から大きなシェアを
狙っていないのです。

本書は、夏野さんが執筆してきたブロマガ「週刊夏野総研」の
ビジネスモデル分析を加筆・再編集したもの。

世の中にあるビジネスは、実はシンプルな仕組みで
成り立っています。

しかし、多くの企業はそのシンプルな仕組みに沿った
「当たり前の戦略」すら立てられなくなったと、
夏野さんは指摘します。

「当たり前の戦略」が立てられないところから、
理詰めで考えていくと「近い将来、日本のメーカーは全滅」
という残酷な結論が導き出されています。

単に辛辣に意見を言っているのではなく、
ロジックで語っていますから、説得力があります。

本書は、戦略思考を学ぶための本ですが、
夏野さんの展開する各企業の戦略分析や考察が面白すぎて、
只々引き込まれて読んでしまします。

巻末の西村博之さんとの対談も、別の視点が示されていて、
本文の内容について理解が深まります。

この本から何を活かすか?

「Apple Watch」は発表前、「iWatch」という名前
になるのではと噂されていましたが、
結果、「Apple Watch」という名称が発表されました。

ここで夏野さんは、ある法則について言及します。

  「自信のない製品名・サービス名には “Apple” がつく?」

過去に新たな付加価値がなかった製品を並べてみると、
Apple Pay、Apple TV、Apple Watchとなります。

一方、大ヒットした製品やサービスを並べてみると、
iPhone、iPad、iTunes、iOSと、すべて「i」がつきます。

「iWatch」ではなく、「Apple Watch」になったことで、
この製品の行く末が見えてくる?

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 経営・戦略 | 15:31 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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