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サントリー対キリン

サントリー対キリンサントリー対キリン
(2014/11/22)
永井 隆

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満足度★★★
付箋数:23

かつてキリンの国内ビール出荷数はシェア6割を越えて、
これ以上増えると独占禁止法に抵触する直前まで迫っていました。

それが1987年にアサヒが「スパードライ」を発売したことにより、
シェアが大きく動き始めます。

「ドライ戦争」が起こり、ビール業界では、
アサヒが巨人キリンを猛追する形となりました。

2000年にはついにシェアが逆転し、
アサヒがビール出荷数でトップに立ちました。

その後、キリンとアサヒの2社のシェアは拮抗し、
熾烈なトップ争いが続きました。

これはあくまでもビール出荷数での争い。

実は、酒類メーカーとしての「売上高と営業利益」は、
キリンが1954年以来、ずっと国内トップを守り続けていました。

このキリンの首位の座が、2014年に、
ついに明け渡される見込みとなりました。

トップを奪うのは、アサヒではなく、サントリーです。

サントリーは「ザ・プレミアム・モルツ」が好調とは言え、
ビールのシェアだけで見ると、まだまだキリンの敵ではありません。

しかし、サントリーは2014年4月に、バーボンウイスキーの
「ジムビーム」や「メーカーズマーク」で知られる
米蒸留酒大手のビーム社を買収しました。

これに「山崎」「白州」などウイスキーの国内販売の
好調も加わり、サントリーの売上高と営業利益は
いずれもキリンを抑え、国内トップに立ったのです。

最終的に破談になりましたが、サントリーとキリンは、
2009年頃、水面下で統合計画を進めていたようです。

サントリーは明治時代に、鳥井信治郎さんが創業した
「やってみなはれ」の精神を持つベンチャー企業。

そして、国内でも有数の同族企業です。

一方、キリンは三菱グループが中心となり出資して
創られた財閥系企業であり、サラリーマン企業。

本書では、この2社のこれまでの歴史と企業文化、
ビジネスモデルと今後の戦略を比較します。

著者は、『ビール15年戦争』や『ビール最終戦争』などを
執筆してきた永井隆さん。

さすがに、これまでにも業界の動きを追ってきただけあります。

今回も入念に取材を重ね、単なる比較にとどまらない
読ませるルポルタージュになっています。

  第1章 21世紀のビール・飲料業界
  第2章 サントリー
      ベンチャーから生まれた「やってみなはれ」精神と世界展開
  第3章 キリン
      凋落した巨大企業、「組織力」による復活は
  第4章 ビール・飲料会社の現場力
  最終章 市場の勝敗を決めるものは何か?

「サントリー対キリン」の両社の比較ですが、
首位の座が変わったこともあり、どちらかと言うと、
本書はサントリー中心で描かれています。

同族企業だったサントリーが、一族でもプロパーでもない、
元ローソン会長の新浪剛史さんを社長に引っ張ってきた
ばかりですから、話題としてもサントリーの方が豊富。

大型M&Aを行い、これから世界展開を加速させる
サントリーの動向には、目が離せません。

この本から何を活かすか?

サントリーがビーム社の買収により、蒸留酒事業で世界展開を
行うのに対し、キリンはアメリカ市場で伸びている
「クラフトビール」での国内展開を考えています。

クラフトビールとは、職人が精魂を込めて作る
小規模生産のビールです。

かつて、地ビールが流行った時期がありましたが、
それとはちょっと違ったこ、だわりのビールという
位置付けでしょうか。

今後の戦略でも、サントリーとキリンは、
大きく方向性が違っているようですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 経営・戦略 | 07:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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