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理不尽な進化

理不尽な進化 :遺伝子と運のあいだ理不尽な進化 :遺伝子と運のあいだ
(2014/10/25)
吉川 浩満

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満足度★★★★
付箋数:24

アメリカでは3人に1人が進化論を信じないとの話も聞きますが、
私たちは進化論が大好きです。

日常生活やビジネスにおいても、よく進化論的な表現が使われます。

「ガラパゴス化」、「ダメなものは淘汰される」、
「刻々と変化するビジネス環境に適応できるのか」、
「日本の生存戦略」、「勝ち組/負け組」といった表現などなど。

生物学以外の分野でも、あらゆるものは進化し、
環境の変化に適応できないものは消えていきます。

さて、本家本元の生物の世界では、現存する生物種が、
進化と淘汰の荒波にを越えて、生き残った種ということです。

逆にいうと、それまで多くの種が、消えていきました。

それでは進化の過程で、絶滅してしまった生物種は、
どの程度あったのでしょうか?

実は、生物の世界では、生き残りという表街道よりも、
絶滅という裏街道の方が、はるかに広いようです。

地球上に出現した生物種のうち、絶滅してしまったのは、
なんと「99.9%」もの割合にも上ります。

私たちがまだ見ていない生物も含めて、地球上にいる生物の種類は、
かなり多いように思えますが、僅か0.1%に過ぎないのです。

「勝ち組/負け組」の表現を使えば、生き残っている種は
超エリートの「勝ち組」と言えるのです。

本書は圧倒的に数の多い「絶滅」の観点から
生物の進化をとらえた、ちょっと変わった本です。

  「本書は次のような構成となった。軽い導入のあと(序章)、
  絶滅という観点から生物の彩る理不尽さを味わい(第一章)、
  そこで得られた眺望をもとに私たちが漠然と描いている
  通俗的な進化論のイメージの内実とその問題点を指摘し(第二章)、
  それにたいして本物の進化論がもつ意義と有効性を
  専門家同士の論争を通じて明らかにしたうえで(第三章)、
  第二章で描いた素人の混乱と第三章で描いた専門家の紛糾の
  両者がともに私たちの歴史と自己認識をめぐる終わりのない
  問いかけに由来するものであると論じる(終章)、というものだ。」

本書の目的は、進化論の解説や評価をすることではなく、
進化論と私たちの関係について考察することです。

一般向けのエッセイとして書かれていて、
専門知識がなくてもスムーズに読めますが、
後半は少し哲学的な内容になります。

しかし、そこが本書の一番の読みどころ。

アメリカの著名な古生物学者、進化理論家の
スティーヴン・ジェイ・グールドさんを中心とした論争が
描かれています。

グールドさんが批判したのは、『利己的な遺伝子』でも知られる
適応主義派のリチャード・ドーキンスさんです。

この2人の論争は「ダーウィン・ウォーズ」または、
「エボリューショナリー・ウォー」とも呼ばれ、
注目を集めました。

論争の決着は、勝者がドーキンスさんで、
敗者がグールドさんということになっています。

ここでも、本書では勝者のドーキンスさんの視点ではなく、
敗者グールドさんの視点で考察しているのがいいですね。

なぜ、負けが明白であるにも関わらず、グールドさんは
最後まで不利な戦いを続けたのか?

この辺りのストーリーの組み立ては見事で、
若干専門的な内容であるにも関わらず、
引き込まれるように、読み進めることができます。

この本から何を活かすか?

本書は、吉川浩満さんが2011年5月から2013年12月まで、
朝日出版社第二編集部ブログに全28回に渡って連載した記事が
ベースとなっているそうです。

そこで、そのブログを見にいったところ、
「連載を読んでいただきありがとうございました。
書籍化いたしました。」と書かれてあり、
本書の「まえがき」が公開されていました。

書籍化したので、ブログ記事は削除されたのでしょうか?

だとすると、ちょっと残念ですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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