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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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合理的なのに愚かな戦略

合理的なのに愚かな戦略合理的なのに愚かな戦略
(2014/10/23)
ルディー和子

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満足度★★★★
付箋数:25

日本実業出版社の細野さんに献本いただきました。
ありがとうございます。

  「一流企業の頭脳明晰であろう経営者が、なぜ、同じ間違えを
  繰り返すのか? 米国ビジネススクールの著名な学者によって
  書かれた経営書を熱心に読む経営者たちが、
  なぜ、誰からも指摘されるような単純な間違いを犯すのか?
  理由は簡単です。ほとんどの経営やマーケティング戦略に
  関する本は、読者が論理的に考え意思決定を下すことを前提として
  書かれているからです。
  データや資料に基いて戦略を立てるまでは論理の世界です。
  でも、それを実行するかどうかの決断は理性だけでは決められません。
  過去の経験に基づくひらめきや、成功体験から生まれたしがらみ、
  プライドや功名心、執着心といったような要素が大きな影響力を
  行使します。優秀な経営者であるからこそ、自分が理性以外の要素で
  判断しているとは思ってもみない。
  これが、有名企業が経営ミスを犯す最大の理由です。」

本書は豊富な事例をもとに、企業が「失敗」するメカニズムを
解き明かす本です。

著者は立命館大学大学院経営管理研究科教授で、日本ダイレクト
マーケティング学会副会長を務めるルディー和子さん。

本書はマーケティングの第一人者による失敗の経営論。

日本企業が翻弄される「6つのパラドックス」を軸に、
合理的な経営判断をしたはずの企業が、愚かな失敗を犯す
プロセスを解説します。

  第1章 顧客志向の逆説
  第2章 プライシングの逆説
  第3章 ブランドの逆説
  第4章 コミュニケーションの逆説
  第5章 経営戦略の逆説
  第6章 イノベーションと幸福の逆説

本書の冒頭で紹介されているのは、エビスビールの失敗事例。

かつて、麦芽100%のエビスは「ちょっと贅沢なビール」としての
地位を確立し、高級ビールの代名詞でした。

しかし、2009年にはサントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」に
お中元、お歳暮といったギフト市場で抜かれます。

更に、2012年には販売量でエビスはプレモルに2倍近い差を
つけられてしまいました。

なぜ、エビスは長年築いてきた「ちょっと贅沢なビール」という
確固としたイメージを失ってしまったのか?

ルディーさんは、プレモルに追い込まれていた時の、
エビス経営陣の心理を、1980年代に米コカ・コーラが
ペプシコーラに追撃され、味を変えてしまった時の心理と
同じであったと指摘しています。

経営陣は、じりじりと迫ってくる2番手のプレッシャーを
極度に恐れ、なにか新しい試みをしなくてはと考えました。

その結果、コカ・コーラは顧客の声に耳を傾け、
顧客好みに味に変えて失敗。

エビスも不景低迷の中で「贅沢は敵」のような社会風潮に
に合わせて、「ちょっと贅沢なビール」というポジションを
捨ててしまったと解説されています。

本書で紹介される失敗事例は、外部から客観的に見ると
「なんでそんな間違いをするの?」と思うものばかりですが、
当事者から見ると、その失敗は合理的に判断を下した必然で
あったことが興味深いところです。

この本から何を活かすか?

2009年に英ダイソンは、羽根のない扇風機エアマルチプライアーを
3万円を超える値段で販売を開始しました。

この発売を前にダイソンは、世界市場における特許を申請しましたが、
「あまりに日本の発明に似ている」という理由で却下されました。

実は東芝が、30年も前に羽根のない扇風機のアイディアを思いつき、
特許を取得していたのです。

では、なぜ、そんな画期的な製品を作った東芝は、
羽根なし扇風機を発売しなかったのか?

その理由は、是非、本書を手にとってお読みください。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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