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双子の遺伝子

双子の遺伝子――「エピジェネティクス」が2人の運命を分ける双子の遺伝子――「エピジェネティクス」が2人の運命を分ける
(2014/09/12)
ティム・スペクター

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kindle版 双子の遺伝子

満足度★★★★
付箋数:24

私たちは「双子」を見ると、その容姿や動作が似ていることに
しばしば驚かされます。

それは、「人はそれぞれ個性があって違う」ことを
前提にしているので、似ている点があると注目してしまうのです。

ここで前提を変えてみましょう。

遺伝子も同じで、育った環境も同じなら、同じ人間に育つはず。

この前提に立つと、遺伝子レベルではクローンとも言うべき双子は、
同じ環境で育つならば、同じ人格になってもおかしくありません。

しかし、いくら見た目が似ている双子でも、性格が違い、
よく見比べると、意外と違う点があるものです。

本書の著者、ティム・スペクターさんは、ロンドン大学の
遺伝免疫学の教授で、同時に英国最大規模の双子研究所
UK・ツイン・レジストリを立ち上げ指揮してきた方です。

もともとスペクターさんには、「遺伝子が宇宙の中心」という
考えがあり、双子の「共通点」に関して研究していました。

しかし、2009年にBBCで作成された番組「双子の人生の秘密」を
監修した際に、「一緒に育ったのに、まったく違う個性に育った
一卵性双生児」を取り上げたことをきっかけに、
研究の方向性を変更しました。

双子の「共通点」の研究ではなく、「相違点」の研究を
するようになったのです。

遺伝子も同じ、育った環境も同じ一卵性双生児なのに、
  ・なぜ、1人がゲイで、もう1人は違うのか?
  ・なぜ、双子の1人だけが肥満になってしまったのか?
  ・なぜ、一方だけが乳がんを発症したのか?

スペクターさんが、この違いを説明するための根拠としたのが、
「生まれ(遺伝子)」でも「育ち(環境)」でもない、
第3の要因「エピジェネティクス」です。

エピジェネティクスとは、遺伝子の外側で働いている力で、
DNAの情報(塩基配列)は変わらないのに、細胞の性質が変化し、
記憶・継承されるという概念です。

スペクターさんは、双子を題材にして、これまで遺伝子中心主義で
考えられてきた次の4つの仮説を検証します。

  仮説1 遺伝子は人間の核心、青写真、生命の書である
  仮説2 遺伝子と遺伝による運命は変えられない
  仮説3 環境(外的要因)は遺伝子に永続的な影響を与えない
  仮説4 両親や祖父母が環境から受けた影響をあなたは受継がない、
      つまり、獲得形質は遺伝しない

このように書くと、ずいぶんお固い学術書のような印象を与えますが、
中身はそれほどガチガチの本ではありません。

私たち誰もが考えがちな遺伝に関する願望も反映さえながら、
それを科学的に検証していきます。

  ・自分が身につけた能力を子どもに受継がせることは可能か?
  ・絶対音感は練習で身につくのか?
  ・育児のノウハウは本当に役立っているのか?
  ・遺伝子スイッチで性欲をコントロールすることはできるのか?
  ・浮気は遺伝子にプログラムされているのか?

5000組の双子を研究したデータで、どこまでが遺伝し、
どこからが遺伝しないのかという疑問に答えます。

本書はエピジェネティクスで、新たな遺伝の仕組みを
解き明かしますが、同時に私たち人間とはなにか、
人生とはなにかという点についても考えさせられます。

この本から何を活かすか?

本書では、こんなことまで調査・報告されています。

  「概して男性の同性愛者は異性愛者ほどスポーツが好きではなく、
  また、運動能力にも恵まれていない。また、攻撃的な男性の
  性犯罪者は概してペニスが大きいことから、理論上、
  男性の同性愛者は異性愛者より性器が小さいと
  思われるかもしれない。しかし、調査によって実際は逆
  であることが明かされた。平均的に見て、同性愛者のペニスは
  異性愛者のそれより大きいと報告されている。」

これは自己申告による調査のようですが、男性の同性愛者は
サイズを比較する機会が多いので、その申告はかなり正確だと
説明されています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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