活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT


≫ EDIT

反論が苦手な人の議論トレーニング

反論が苦手な人の議論トレーニング (ちくま新書)反論が苦手な人の議論トレーニング (ちくま新書)
(2014/09/08)
吉岡 友治

商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:22

あなたは、相手の主張に納得できなくても、
その場の空気を読んで反論せずに終わることはありませんか?

反論の仕方によっては、感情的になったり、
その場の雰囲気を悪くしてしまうこともあります。

本書はそうならないように、正しく議論するための
技術を伝える本です。

最初に本書が伝えるのは、議論の信頼性を担保するために
論理構造をチェックすること。

次の点をチェックすることで、議論の信頼性が確認できます。

  ・議論する問題は意味のあるものか?
  ・示された解決策は明確なものか?
  ・その理由はきちんと挙げられているか?
  ・理由の言い換え=論理展開に傷はないか?
  ・例示・データは適切に挙げられているか?

このチェックの中で、意外と難しいと思うのが、
論理展開の「傷」を見つけること。

例えば、次の文章のどこに「傷」があるかわかりますか?

  「マラリアで亡くなる子どもは毎月15万人。その多くは蚊帳で
  予防できると言われる。これを聞いてアメリカの映画女優
  シャロン・ストーンは蚊帳を寄付し、多くがそれに続いた。
  しかし、その結果、マラリアで亡くなる子どもは減らなかった
  と言う。なぜ、このような結果になったのか?」

解決すべき問題は「マラリアで亡くなる子どもを減らすこと」で
解決策は「蚊帳を寄付する」ことです。

  1. 蚊がマラリアを媒介する
        ↓
  2. 蚊は蚊帳があると人に寄ってこない
        ↓
  3. 蚊帳を寄付すれば、蚊帳が増える
        ↓
  4. 蚊に刺される子どもが減る
        ↓
  5. マラリアで亡くなる子どもが減る

現実がこの論理展開の通り進むなら、蚊は減るはずでしたが、
そうならなかったのには、どこかに成り立たない言い換えが
あったからです。

成り立たなかったのは、3番の「蚊帳を寄付すれば、
蚊帳が増える」のところ。

蚊帳はもともと寄付されたもの以外に、
現地で細々と生産されていたものがありました。

しかし、無料の蚊帳が送られてくると、それとは競争できないので、
次々と生産から撤退することになったのです。

結局、寄付で増えた蚊帳の数と同等かそれ以上に、
現地で蚊帳が生産されなくなったため、
全体として蚊帳の供給量が増えませんでした。

そのため、それ以降の論理が崩れ、マラリアで亡くなる子どもは
減らなかったのです。

本書は、他にも「議論へのツッコミを入れる技術」や
「相反する意見をまとめて、よりよい解決を提示する技術」を
ネット空間で見られる言説を例に挙げて解説します。

この本から何を活かすか?

小学生に「勉強なんて何の役に立つの?!」と聞かれたら、
どう「勉強は役に立つ」と説得したらいいでしょうか?

本書では、「振り込め詐欺」に引っかけた例を示しています。

  「なぜなら、実社会には、あなたを騙してお金を
  取ろうとする人がたくさんいるからです(理由)。
  騙されないためには、相手の言葉をすばやく理解し、
  すぐに計算ができて、常識的に考えておかしくないかどうか、
  ちゃんと判断できなければね。つまり、国語と算数と社会が
  できなきゃいけないわけ(説明)。振り込め詐欺でも、
  よく考えないまま大金を振り込むんじゃなく、
  電話だけで大丈夫かな、息子に直接確認してみよう、
  ととっさに考えられればいいのです(例示)。
  そのとき役立つのが勉強。頑張ろうね!(結論)」

子どもの質問に困っていた人は、参考にできそうですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 07:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://ikadoku.blog76.fc2.com/tb.php/2224-748fa07f

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT