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知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代

知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書)知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書)
(2014/05/15)
田坂 広志

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kindle版 知性を磨く~「スーパージェネラリスト」の時代~ (光文社新書)

満足度★★★
付箋数:23

本書のテーマは「知性を磨く」こと。

最初に田坂広志さんが本書で行っているのは、知性を定義すること。

  そもそも、「知性」とは何か?

田坂さんの著書をよく読む方は、ご存知だと思いますが、
田坂さんは、「知性とは●●である」というように、
結論を先に書きません。

必ず、最初に「問い」を立てます。

その問に答えながら、また新しい問いを立てる。
そうして、一段一段、思考を深めるスタイルで語ります。

なぜなら、その思考のプロセスを辿ることが大切だから。

誰が見ても、答えが明確に決まっている問題なら、
最初に結論を言って、後からその理由を述べてもいいでしょう。

しかし、田坂さんが挑むのは、予め答えが用意されている
問題ではありません。

絶対的な答えが存在しない、哲学的な要素を含むテーマなので、
その考えに至るプロセスを、紙上で再現するのです。

読者は、一つひとつの「問い」を田坂さんと共に考えることで、
1人では到達できない所まで、思考を深めることができるのです。

あたかも、田坂さんと一緒に思考の旅をしている感覚になります。

さて、本書では、知性に似た言葉と比較することで、
「知性とは何か」を明確にします。

その言葉とは、「知能」、「知識」、「智恵」です。

  「知能」とは、「答えの有る問い」に対して、
  早く正しい答えを見出す能力のこと。

  「知性」とは、「答えの無い問い」に対して、
  その問を、問い続ける能力のこと。

  「知識」とは、「言葉で表せるもの」であり、
  「書物」から学べるもの。

  「智恵」とは、「言葉で表せないもの」であり、
  「経験」からしか掴めないもの。

  「知性」の本質は、「知識」ではなく、「智恵」である。

特に「知識を学んだだけで、智恵を掴んだと錯覚してしまう」
ことは、日常生活でもよく遭遇するので注意が必要です。

本書には、田坂さんのこんなエピソードが紹介されていました。

あるとき、田坂さんはテレビのプロ野球を見ていました。

その日の試合は、ピッチャーのフォークボールの切れが良く、
三振の山を築いていました。

そこで、アナウンサーが解説の落合博満さんに聞きました。

  「落合さん、現役時代の落合さんなら、今日のあのピッチャーの
  切れ味の良いフォーク、どう打ちますか?」

この質問に対し、落合さんは淡々と答えます。

  「ああ、あのフォークね・・・。
  今日のあのフォークは、切れ味が良いから、ストンと落ちる。
  落ちたら打てない。だから落ちる前に打つの・・・・」

この解説を聞いて、田坂さんは、心の中で膝を叩き
「なるほど!」と思ったそうです。

しかし、田坂さんはその直後に、自分が「知識と智恵の錯覚」に
陥っていることに気づいて、苦笑いしました。

フォークを落ちる前に打つのは、落合さんほどの天才打者が、
永年の修行を通じて掴んだ秘訣で、
素人が簡単に真似できない至難の業。

それを、田坂さんはただ頭で理解して、一瞬、
自分でもフォークが打てるような錯覚に陥ってしまったそうです。

さて、本書では「スーパージェネラリスト」へと、
知性を磨いていく必要性が語られています。

スーパージェネラリストとは何か?
なぜ、スーパージェネラリストが求められているのか?

本書で、田坂さんに導かれる思考の旅をお楽しみください。

この本から何を活かすか?

本書のアマゾンのレビューを見ると、「自著の宣伝が多い」
と感じている方もいるようです。

しかし、私はそのようには感じませんでした。

あくまで田坂さんは、その思考プロセスは既に他の本に
書いた事を示し、重複して書くことを避けたに過ぎないからです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:28 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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