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バットマンは飛べるが着地できない

バットマンは飛べるが着地できないバットマンは飛べるが着地できない
(2014/04/24)
木野 仁

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満足度★★★
付箋数:19

タイトルからわかる通り、本書は、
アニメや特撮のヒーローの秘密を科学で解明する本です。

  「柳田理科雄さんの空想科学読本のパクリか?」

この分野の本に興味がある人なら、こう思った人も多いハズ。

しかし、当然といえば当然ですが、読者がそう思う以上に、
著者の木野仁さんの方が、空想科学読本を意識しています。

  「執筆依頼を聞いてみると、アニメや特撮を科学的に解説する
  という内容でした。これは私のもっとも得意とする分野でしたが、
  心の中に大きく引っかかることがありました。

  それはあの柳田理科雄氏の大ベストセラー『空想科学読本』の
  存在です。科学技術を面白可笑しく解説する書籍は、
  最近でこそ多く存在しますが、柳田理科雄氏はまさに先駆者でした。」

初めて空想科学読本を読んだ時、木野さんはまだ大学院生で、
その内容に心が躍り、自分も将来、大学教員になって、
こんな面白い授業したいと思ったそうです。

木野さんの中には、その分野の先駆者としての
柳田さんへのリスペクトがあります。

しかし、執筆依頼を受けるからには、
それだけではただの二番煎じになってしまいます。

そこで、木野さんは空想科学読本をライバルと捉え、
敵を知るために同シリーズを再度読み込み、分析を行いました。

わかったのは、空想科学読本は次のパターンで書かれていること。

  1. 特撮・アニメなどの必殺技や現象を、
   科学的に不可能であることを説明

  2. 仮にそのような現象を可能にするならば、
   こうするべきと面白い提案 

  3. こんなの無理だ(オチ)

そこで、木野さんはこのパターンを踏まえて逆の方向に
行くことを決めました。

それは特撮・アニメの現象から、無理なことを説明するのはなく、
現実の物理・科学現象と照らしあわせて、現実の物理法則を
説明する手法です。

  「本書では、ヒーローの能力について “○○○は、●●●できない”
  ということを指摘することを目的にしていません。
  むしろ逆です。 “あんな凄い能力を持つヒーローは、
  きっとこんな科学現象を応用しているに違いない” と
  ポジティブに考えます。」

特撮・アニメを取っ掛かりとして、現実の物理法則を説明するので、
初めて空想科学読本に出会って感じた、「こんな授業をしたい」
という想いに、忠実に本を書いたということかもしれません。

そして木野さんがもう一つ大切にしているのが、
原作に対する「愛」です。

柳田さんが、笑いにもっていくところを、
木野さんは愛を示すので、ここでも方向性の違いを出しています。

本書で取り上げられるのは、以下の作品の現象です。

ゴルゴ13の狙撃、シャアザクのスピード、ライダーキックの効果、
銀河英雄伝説でのスイングバイ、マジンガーZの超合金、
聖闘士星矢のパンチ、バットマンの航空力学、
宇宙刑事ギャバンと遠心力、ザクのアクチュエータ、
ゲッターロボの形状記憶合金、電波人間タックルの電波投げ、
るろうに剣心の二重の極みなど。

本書で扱う科学は、高校で勉強する物理と、
大学で勉強する初等の工学を対象としています。

木野さんはロボット工学が専門なので、やはりその分野の説明が
最も詳しく書かれていました。

この本から何を活かすか?

本書のタイトルとなった「バットマンは飛べるが着地できない」は、
イギリスの学生が2012年に発表して話題になった論文、
Trajectory of a falling Batman」からきています。

その論文では、着地時のバットマンのスピードは時速80キロにも
達し、着地の際には瀕死のダメージをまぬがれないというもの。

しかし、木野さんはこの論文の仮定に無理があることを指摘し、
バットマンも鳥や飛行機と同様に、翼の迎え角をコントロールし、
安全な速度までスピードを落とすことが可能かもしれないと言及。

実は、本書のタイトルと逆のことを言っているのです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 科学・生活 | 06:15 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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| | 2014/06/06 09:57 | |















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