その幸運は偶然ではないんです!
その幸運は偶然ではないんです!
(2005/11/18)
J.D.クランボルツ 商品詳細を見る
満足度★★★★
「想定外の出来事」は誰の人生においても、よく起こります。
それが、良い出来事ならまだしも、
失望であることも、実際には多いことでしょう。
しかし、はじめから「想定外の失望=チャンス」と心に強く刻んでおけば、
それが起こった後の行動が、まったく違うものとなるはずです。
何の心構えもなく、失望に遭遇すると、
立ち直るまでにかなりの時間を要しますが、
はじめから、失望はチャンスであると分かっていれば、
苦しいながらも、その出来事を最大限に活用する行動がとれるはずです。
あとから振り返って、「想定外の失望」が起こったときに
何も行動を起こさなければ、それは単に「不運」と呼ばれ、
チャンスに変える行動を起こすことができれば、「幸運」と呼ばれる
だけの違いなのかもしれません。
本書は、慎重に立てた計画より、偶然の出来事の方が、
キャリアに与える影響が大きいと説明し、
自分自身で運をつくり出し、それを活かす方法を教えてくれます。
この考え方は、キャリアだけでなく人生のほかの場面でも
応用することは可能です。
取り上げられる事例が、有名人や偉人ではなく、
普通の人の出来事であることも、私たちが身近に起こる事として
感じながら、本書を読むことを可能にしています。
また、章末の練習問題では、自分自身の人生に当てはめるための
ワークが用意され、より理解が深められるのもいいですね。
本書の考えは、著者であるスタンフォード大学教授の、
J.D.クランボルツ博士が提唱する「ハプタンス・アプローチ」と
いうそうです。
私がこの本を読んだのは、3月15日の記事に対し、kennさんがコメントで
「計画された偶然理論(planned happenstance theory)」という考えを
教えたくれたからです。
これも、偶然が作用した結果なのかもしれません。 この本から何を活かすか?
「大きくなったら、何になりたい?」
大人は子どもに対し、よくこの質問をして、
「お医者さん」などの、なにかしら明確な職業名の答えを聞くと、
聞いた大人が勝手に自己満足をすることがあります。
しかし本書では、この質問が、なんの情報も判断材料もない子どもに
変なプレッシャーを与え、時には一時しのぎで口にした職業に縛られる
弊害があることを指摘しています。
私も、何気なくこの質問を子どもにしたことがありましたが、
よくよく考えれば、子どもにとっては迷惑な質問だったかもしれません。
以後、気をつけます。
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