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ケプラー予想

ケプラー予想: 四百年の難問が解けるまで (新潮文庫―Science&History Collection)ケプラー予想: 四百年の難問が解けるまで (新潮文庫―Science&History Collection)
(2013/12/24)
ジョージ・G. スピーロ

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満足度★★★
付箋数:22

「フェルマーの最終定理」は、17世紀フランスの数学者
ピエール・ド・フェルマーさんのメモ書きから、
360年の時を経て、イギリスの数学者アンドリュー・ワイルズさん
によって証明されました。

そのフェルマーの最終定理以上に、長い間世界中の数学者を
苦しめた難問がありました。

それが、「ケプラー予想」と呼ばれる問題です。

これは、1611年、天文学者で数学者でもあった
ヨハネス・ケプラーさんが友人に宛てた「六角形の雪について」
という小冊子の中で示した問題。

ケプラーさんは、球を敷き詰めたときに、
面心立方格子が最密になると予想しました。

簡単に言うと、球をもっとも効率よく3次元空間に詰め込む方法は、
「果物屋の店先にオレンジが積まれる時の方法と同じ」である
という予想です。

この問題、規則正しく並べるという条件付きなら、
19世紀最大の数学者カール・ガウスさんによって、
問題ができてから、およそ200年後に証明されました。

しかし、不規則な並べ方まで含めた場合まで証明するには、
400年もの間、数学者を苦しめた難問として君臨したのです。

この問題を1998年に解決したのが、米ミシガン大学の
数学者トーマス・C・ヘイルズさんでした。

子どもでも直感的に、オレンジの積み方が正しいとわかる問題も、
証明するには、これだけの年月を要したのです。

本書は、ケプラー予想が生まれる少し前に、
イギリスの数学者・科学者トマス・ハリオットさんによって
考えられた「倉庫に積まれた砲弾数」問題から始まり、
ヘイルズさんが証明するまでの400年間の、
数学者たちの苦闘の歴史を描きます。

  「フェルマーの最終定理に関するワイルズの証明は
  トルストイの “戦争と平和” のようなものであり、
  ケプラー予想に関するトーマスの証明は電話帳のようなもの」

これは数学者で一般向けの数学書の書き手として知られる
イアン・スチュアートさんの言葉。

要するに、ワイルズさんの証明はエレガントで美しく、
それに比べてヘイルズさんの証明は高尚さや品がなく、
月とすっぽんだと言っているのです。

なぜ、このような比喩が使われたかというと、
ケプラー予想の証明は、コンピュータを使った
力ずくの証明だったからです。

通常、数学の証明でパターンが多くて調べきれない場合は、
その問題の否定を考えて、矛盾を証明する背理法が使われます。

しかし、コンピュータの発達により、近年ではしらみつぶしに
調べていく方法も可能になったのです。

無論、その証明には「それは本当に証明なのか?」という
非難も出てくることになります。

ヘイルズさんのケプラー予想の証明は、
論文を審査する査読チームにより4年の歳月をかけ調べ、
「99%正しい」と報告されました。

本書では、コンピュータを使った数学の証明問題についても
多くのページを割いて描いています。

数学の難問を扱う本ですが、数学者たちの人間ドラマとして
書かれている面も多いので、ほぼ数学的な知識はなくても
読むことができます。

本書は、2005年4月に新潮社から刊行された『ケプラー予想
を文庫化に際し、改訳したものです。

この本から何を活かすか?

訳者の青木薫さんは翻訳にあたり、ビー玉やオレンジを
実際にテーブルの上に積み上げて、ケプラー予想を
体感したようです。

ビー玉だと、転がってしまい、最密充填が実感できなかった
ようですが、オレンジでやってみると、手応えを感じたとか。

私も、家にあった「みかん」を使って挑戦してみましたが、
ちょっと違うな~という感じでした。

やはり「みかん」は、オレンジと違い球体ではないので、
動いてピタッとハマる感じがなくダメでした。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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