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売る力

売る力 心をつかむ仕事術 (文春新書 939)売る力 心をつかむ仕事術 (文春新書 939)
(2013/10/18)
鈴木 敏文

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満足度★★★★
付箋数:24

セブン&アイ・ホールディングス会長兼CEOの鈴木敏文さんは、
プライベートでもセブン-イレブンの弁当を購入して、
奥さんと一緒に食べる機会がよくあるそうです。

そのときに、弁当のレベルが落ちていると感じたらどうするか?

普通の会社だったら、食品衛生法上など問題がなければ、
翌日に出社してからその弁当の売上を確認し、
以降の販売を継続するか、中止するかを検討するでしょう。

しかし、鈴木さんは、その弁当が美味しくないと感じたら、
そこそこ売れている商品であっても、即刻、店頭から
撤去するように指示を出します。

北海道から九州まで、全国1万5千店を超える全ての店舗から、
本部の負担で、20分以内に一斉に撤去させるそうです。

こうした徹底的なこだわりが、セブン-イレブンのブランドを
より強固なものにしているのでしょう。

私はかつて、食品加工メーカーに勤めていたことがあります。

そのメーカーの工場では、1つの商品の生産ラインが、
川下で2つに分岐していました。

1つは、一般の小売店向けの商品を作っているライン。
もう1つは、セブン-イレブン専用ライン。

出来上がる商品自体は同じものでしたが、
検品の回数を多くし、より厳重に品質をチェックしていたのが、
セブン-イレブン専用ラインでした。

これは、セブン-イレブンの品質に対する要求が厳しく、
何か問題が発生したら、全国の店舗へ納入禁止と
なってしまうからです。

今から20年以上前の話ですが、当時はあの山崎パンでさえ
納入禁止となり、各食品加工メーカーはセブン-イレブンへの
納品に対しては、かなり神経を使っていました。

私も、なんでセブン-イレブン向けだけに、こんな面倒なことを
しなければならないんだと思う反面、自分が同じ商品を買う時は、
絶対にセブン-イレブンで、と決めていました。

さて、本書はセブン-イレブンの「売る力」、
人の心理をつかむビジネスの秘訣を公開する本です。

セブン&アイ・ホールディングスの広報誌で、鈴木さんと対談した、
秋元康さん、佐藤可士和さん、見城徹さん、小菅正夫さん、
楠木建さん、高島郁夫さんなどの考えなども紹介されています。

ものが溢れている時代に、いかにして「ものを売るか」が
本書のテーマですが、鈴木さんのこだわりに凄さに圧倒されます。

PB商品の開発に関しても、サントリー、日清食品、東洋水産などへ、
コストや価格の制約を取り払い、全商品買い取りで、
各メーカーの最上級商品を上回る品質のPB商品開発を発注。

NB商品の開発現場では、通常はコスト削減のために、
徹底的にこだわった商品が作れないとう欲求不満もありますから、
セブン-イレブンから、全商品買い取りでコストを度外視した
商品開発のオファーは、魅力的なオファーだったのでしょう。

しかも、PB商品であっても「日清名店仕込み」などのように、
メーカー名も出ますから、開発側でも自分たちの商品として
作ることができるのです。

この本から何を活かすか?

「消費税分8%還元セール」と「全商品10%割引きセール」
売れるのはどっち?

経済合理的に考えると、「10%割引」が得なのは明らか。

しかし、顧客の心をつかむのは、「消費税分還元セール」です。

消費税を上げられることに対する不満や不安を持つ
顧客心理をうまく利用しているのでしょう。

実際にイトーヨーカドーでは、「消費税分5%還元セール」を
1998年に実施して大成功を収めました。

当初は鈴木さんの提案に対して、普段の売り出しで
10%引きをしても必ずしも売れる状況ではなかったため、
他の営業幹部の大半から反対されたそうです。

きっと、2014年4月に消費税が8%に引き上げられる前後でも、
同様の顧客心理に訴えるキャンペーンが行われるのでしょう。

個人的には、増税前に煽られて買うのではなく、
わずか数パーセントの差ですから、
冷静に判断して買い物をしたいものです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| マーケティング・営業 | 07:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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