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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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シグナル&ノイズ

シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」
(2013/11/28)
ネイト・シルバー

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満足度★★★★
付箋数:26

あなた(女性)は、パートナー(男性)と暮らしています。

あるとき出張から戻ったあなたは、タンスの中に見たことのない
パンティを発見しました。

この場合、パートナーが浮気をしている確率は?

怒り心頭になりそうなところを、ぐっとこらえて、
冷静になって条件付き確率を求めてみましょう。

この確率を知るには、次の3つの数量を知る(あるいは見積もる)
必要があります。

  X : パンティを発見する前の相手が浮気をしている初期見積り
  Y : 相手が浮気をしている時にパンティが存在する確率
  Z : 相手が浮気をしていない時にパンティが存在する確率

仮に、X=4%、Y=50%、Z=5%だったとします。

この条件下でパンティを見つけた場合に浮気されている確率は、

  P=XY/{XY+Z(1-X)}=0.04×0.5/{0.04×0.5+0.05(1-0.04)}
  =0.294

つまり浮気されている確率(事後確率)は29%。
意外と低い確率になりました。

これはパンティを発見する前の浮気をしている初期見積りを
低くしたためです。

もし、X=10%だった場合の事後確率は77%まで跳ね上がります。

ここで使ったベイズの定理は、1700年代にイギリス人牧師、
トーマス・ベイズさんによって発見された有名な定理。

ベイズ確率の考え方を採用する人を、ベイジアンと言いますが、
本書の著者、ネイト・シルバーさんもベイジアン的な
考え方をもとに未来予測を行います。

シルバーさんは、マイケル・ルイスさんの『マネー・ボール』で
有名になった野球データ予測モデル「PECOTA」の開発者。

米大統領選挙では、2008年には50州のうち49州、
2012年には50州すべてで予測を的中させ有名になった方です。

本書では、インフルエンザ予の流行、金融市場、天気予報、
地震予測、選挙、プロスポーツなど、さまざまな分野での
予測の精度を検証し、陥りやすい落とし穴について言及します。

原題は「The Signal and the Noise:
Why So Many Predictions Fail-but Some Don\'t

(なぜ多くの予測は外れるのに、ある予測は当たるのか)」

本書で数少ない当たる予測として解説されているのは、
天気予報です。

逆に当たらない予想として挙げられているのは地震予測。

日本の東日本大震災の例も挙げられ、オーバーフィッティング
(過剰適合)の問題点などを指摘しています。

  「たとえ1日に250京バイトずつ情報が増えていったとしても、
  有益な情報はおなじようには増えない。そのほとんどはノイズ
  であり、ノイズはシグナルより急速に増える」

本書では、情報洪水の中で予測の手がかりとなるシグナルと
取り除かなければならないノイズの見分け方を解説。

ベイズ的な考え方をもとにした、シルバーさんの考え方を
身につければ、巷に溢れるいい加減な予測に翻弄されることも
なくなるでしょう。

注脚も含めると約600ページのボリュームのある本なので、
最初は圧倒されますが、平易な言葉で書かれているので、
意外とスイスイ読み進むことができます。

この本から何を活かすか?

  予測上手になるには、ハリネズミではなくキツネになる

「ハリネズミ」タイプは、いわゆるA型タイプで、
1つか2つの分野を専門とし、あいまいな予測をせず断言するので、
メディアにも登場する回数の多い人たち。

しかし、実際は予測の精度は低い。

一方「キツネ」タイプは、微妙な差異や不確実性、複雑性、
異なる意見に寛容で、用心深く確率的な言葉で予測を表現し、
断言を避ける。

「わからないこと」があることをよく分かっていて、
間違ったノイズを追いかけないので、予測の精度が高い。

本書は、キツネ的なアプローチをベースに書かれています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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