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にわかには信じられない遺伝子の不思議な物語

にわかには信じられない遺伝子の不思議な物語にわかには信じられない遺伝子の不思議な物語
(2013/10/08)
サム・キーン

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満足度★★★
付箋数:23

本書の原題は『The Violinist’s Thumb(バイオリニストの親指)』。

このバイオリニストとは、19世紀のイタリアで活躍した
バイオリンの超絶技巧奏者として知られるニコロ・パガニーニさんです。

あまりの演奏技量の素晴らしさに、才能と引き換えに魂を
悪魔に売ったとも噂される天才バイオリニスト。

本書の著者サム・キーンさんは、パガニーニさんが取引したのは、
悪魔ではなく「DNA」だったと指摘します。

つまりは、パガニーニさんは遺伝子疾患だったために、
指が信じられないくらいに柔軟に曲がって、
最高の演奏をすることができたと言うのです。

  「遺伝子疾患のせいで彼の指が奇妙なほどしなやかだったことは、
  ほぼまちがいない。小指を手のひらに対して横向きに垂直に
  曲げられるくらい、彼の結合組織は弾性があった
  (ぜひ試してみてほしい)。さらに、彼は手を異常なほど
  広げることもできたが、これはバイオリンを弾きときに
  抜群の強みになる。」

本書は、このような遺伝子にまつわる興味深い物語を紹介する
ニューヨーク・タイムズのベストセラーにもなった
サイエンス・ノンフィクション。

  ・なぜ遺伝学者は自然淘汰説を抹殺しようとしたのか?
  ・ヒトのDNAのどれだけが本当にヒト特有なのか?
  ・人間はいつ、どうして、サルから別れたのか?
  ・遺伝子は歴史的英雄について何を教えてくれるのか?
  ・どうして一卵性双生児はまったく同じではないのか?

人間のすべての活動の中に、DNAが記録する物語があります。

それはときに天才と呼ばれたり、奇跡と呼ばれるなど、
かなり特殊な能力を発揮したように見えますが、
遺伝子の側面から考えると、十分に納得できる場合も
あるようです。

ところで、「DNA」と「遺伝子」は同じ意味で語られることも多く、
この記事の中でも、2つの言葉が混在していますが、
この違い、わかりますか?

  「DNAと遺伝子が本当は何なのかを理解するために、
  この二つの言葉を切り離す必要がある。
  二つは同一ではないし、同一だったこともない。
  DNAはものであり、あなたの指にくっつく化学物質だ。
  遺伝子にも物理的性質があり、実際のところ、
  長く伸びるDNAでできている。しかしある意味で、遺伝子は
  物質ではなく概念としてとらえるほうがよい。
  遺伝子は実は情報であり、どちらかというと物語のようなもので、
  DNAという言語で書かれているのだ。」

簡単に言うと、遺伝子は情報で、DNAはモノということですが、
これ意外にもゲノムや染色体などの用語の意味が、
ごちゃごちゃになりがちですね。

キーンさんは、淡々と科学的な事実を語るパートと、
ドラマチックに物語として綴るところを取り混ぜながら、
最後まで飽きさせない読み物として仕上げています。

ただし、言い回しが少し独特なところもあるので、
好き嫌いが別れる文章かもしれません。

この本から何を活かすか?

本書には、広島と長崎の二重被爆者となった山口彊さんの
エピソードが紹介されていました。

  「1945年8月6日、おそらく20世紀で最も不幸な男性にとって、
  1日の始まりはとても幸運だった。
  山口彊は、三菱重工広島造船所近くでバスを降りた直後、
  日本のサラリーマンには欠かせない印鑑を忘れたことに気づいた。
  寮までわざわざ引き返さなくてはならなかったため、
  そのミスにいらついたが、その日、何が起きても彼の気分は
  台無しにならなかった。彼はついに三菱の5000トンタンカーの
  設計を終え、ようやく翌日には妻と幼い息子が待つ長崎に
  帰れる予定だ。戦争のせいで彼の人生はだいぶ狂ったが、
  8月7日にすべては平常にもどるはずだった。」

「DNAは壊れるもの」としての語られるこのエピソードも
一読の価値ありです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 科学・生活 | 06:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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