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ミツバチの会議

ミツバチの会議: なぜ常に最良の意思決定ができるのかミツバチの会議: なぜ常に最良の意思決定ができるのか
(2013/10/14)
トーマス・D. シーリー

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満足度★★★★
付箋数:23

ミツバチは、「分蜂」の習性を持つことをご存知でしょうか?

分蜂とは、巣分かれ。

晩春から初夏にかけて、コロニーのハチが増えて、
巣の中に蜜を集める場所や住む場所が無くなってくると、
女王バチは1万匹の働きバチと共に大移動し、
新しいコロニーを作ります。

一方、元の巣に残ったハチ達は、新しい女王バチを育て、
元のコロニーを存続させます。

この分蜂は、ハチの数を増やすだけでなく、
巣の数を増やすことになるので、種の保存にとっては
とても重要な役割を果たします。

しかし、分蜂は同時にコロニーの死活問題でもあります。

もし、新しく作った巣穴の環境が悪ければ、
そこに移った群れは、全滅してしまう危険性があるからです。

では、この分蜂の際に、ミツバチはどのようにして、
最適な候補地を決めて移動しているのでしょうか?

ミツバチは個々の知恵を超えた、集合知を使っています。

ここまでは、他の生物でもありそうな話ですが、
驚くべきことにミツバチは、「民主的な意思決定のプロセス」
によって、新しい巣穴の候補地を決めているのです。

本書は、ミツバチ研究の第一人者でコーネル大学生物学教授、
トーマス・D・シーリーさんによる「分蜂」をテーマにした一冊。

  「ミツバチの分蜂群は将来の住処を選ぶとき、
  直接民主主義の名で知られる形式の民主主義を実行する。
  意思決定に参加を希望する共同体の個々の構成員が、
  代表を通してではなく直接参加するというものです。
  したがってミツバチ分蜂群の共同的意思決定は、
  ニューイングランドのタウンミーティングに似ている。」

分蜂をする前に、何百匹もの探索バチが群れから飛び立ち、
それぞれが新たな巣の候補地を見つけて帰ってきます。

ミツバチは、それらの候補地の中から、
どこが巣作りに理想的かを決めるために
「民主的に議論」を行います。

もちろん、議論は喧々諤々と言葉で行われるのではありません。

ミツバチは「ダンス」によって、意志を伝え、
情報が集められたすべての候補地を平等に検討し、
最適地への合意形成を行うのです。

シーリーさんは、この研究のために250個以上も巣箱を作ります。

そして、ミツバチ用ランニングマシーンを開発したり、
ゴム製のホースでミツバチの笛鳴らしの音に聞き耳をたてるなど、
研究に見せる情熱の中にも、ミツバチへの愛情とユーモラスさを
感じさせてくれます。

本書は、専門的な研究内容を一般の読者にもわかるように書かれた、
ポピュラーサイエンスの良書ですが、研究の成果を、
人間社会の意思決定に応用しているところが、興味深いですね。

シーリーさんは、ミツバチから学んだ意思決定の方法を、
月1回の教授会で応用し、その効果を実感しているそうです。

  「もちろん、昆虫に経営指南を求めるといっても限度があり、
  そのやり方をやみくもに真似ればいいというものではない。
  それでもミツバチは、効果的な集団意思決定の原則を
  いくつか示しており、それらを実行すればヒトの集団による
  意思決定の信頼性を引き上げられると、私は主張したい。」

この本から何を活かすか?

本書には、「分蜂群の知恵」として、
次の5つの教訓がまとめられています。

  教訓1 意思決定集団は、利害が一致し、
     互いに敬意を抱く個人で構成する

  教訓2 リーダーが集団の考えに及ぼす影響を
     できるだけ小さくする

  教訓3 多様な解答を探る

  教訓4 集団の知識を議論を通じてまとめる

  教訓5 定足数反応を使って一貫性、正確性、
     スピードを確保する

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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