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データ分析ってこうやるんだ! 実況講義

データ分析ってこうやるんだ! 実況講義―――身近な統計数字の読み方・使い方データ分析ってこうやるんだ! 実況講義―――身近な統計数字の読み方・使い方
(2013/10/04)
吉本 佳生

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満足度★★★
付箋数:24

世帯の所得格差を表す指標に「ジニ係数」があります。

「ジニ係数が悪化し、日本の所得格差が拡大」みたいな
新聞記事を目にすることがありますね。

この指標は、0から1までの値をとり、平等であれば0に近づき、
不平等であれば1に近づく値を示します。

では、2009年の日本のジニ係数を見てみましょう。

2人以上の世帯を、有業人員数(働いている人数)で
5つのグループに分けます。

  0人世帯 : 0.240
  1人世帯 : 0.283
  2人世帯 : 0.277
  3人世帯 : 0.280
  4人以上世帯 : 0.288

さて、この有業人員数0人~4人以上の全世帯のジニ係数は
どのくらいの数値になるでしょうか?

次の5つの中から選んでください。

  A:0.201 B:0.268 C:0.274 D:0.281 E:0.311

  「(ジニ係数は)有名なデータですが、じつはとんでもなく
  使いにくい、つまり、ほとんど役に立たないことは、
  あまり知られていません。私は、ジニ係数のように
   “凝った計算方法によって複雑な現象をひとつの数字に集約して
  しまう指標” を、とても嫌っています。このタイプの指標は、
  よほど数学ができる人でないと使えないもので、
  私自身はジニ係数を扱えるレベルにはないと思っているからです。」

先の全世帯ジニ係数の問題は、本書で吉本佳生さんが
出題した問題と違う年代の数値を使いました。

答えは、 Eの「0.311」です。

グループ分けした場合の最小値が0.240、最大値が0.283ですから、
なんとなく全体のジニ係数はその範囲に収まりそうな気がします。

しかし、ジニ係数は凝った計算方法が施されているため、
グループ分けして、より細かなデータを読もうとすると、
その手法が無効になってしまう指標なのです。

つまり、細かく分けて使うことは禁止すべき指標というわけです。

ジニ係数には、計算が複雑で問題点を発見しにくく、
同じ数値でも異なる状況を示し、国際比較がしにくいなど
他にもいくつもの短所があるようです。

本書は、このような誤読しやすい様々な統計数値の
読み方を解説した本です。

タイトルに『データ分析ってこうやるんだ! 』とありますが、
「データ分析って、こういうこともあるんだ! 」という内容です。

分析方法のHowToが示されているわけではないので、
統計の罠に陥らないための、正しく読み取る視点を
身につける本と言った方がいいかもしれません。

個人的には、2013年11月23日の記事で紹介した
これから誰に売れば儲かるのか』と、
かなりネタが重複しているように感じました。

吉本さんとしては、その点に配慮して、事例を変えていますが、
結局、同じ内容を書いていることに違いはありません。

この2冊には、マーケティング重視で書かれた本と、
統計重視で書かれた本の違いがありますが、
一冊に絞るなら、詳しい記述のある本書を選ぶのが正解です。

この本から何を活かすか?

  「日本国民に、もっと家計簿をつける習慣を普及させる」

もし、政府がこんな目標を掲げたら、
ずいぶん突飛なことを言い出したとの印象を受けるでしょう。

しかし、日本国民に物価上昇を意識させ、
アベノミクスのインフレターゲット2%を実現するには、
「家計簿推奨」は意外と説得力のある提案です。

詳しい論理展開は本書に譲りますが、
吉本さんは、消費者物価のデータ分析の結果として、
この興味深いアイディアを思いついたようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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