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ikadoku

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宇宙生物学で読み解く「人体」の不思議

2013年11月21日
科学・生活 0
宇宙生物学で読み解く「人体」の不思議 (講談社現代新書)宇宙生物学で読み解く「人体」の不思議 (講談社現代新書)
(2013/09/18)
吉田 たかよし

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満足度★★★★
付箋数:26

  「宇宙生物学とは、地球に限定せず、宇宙全体の広い視野で
  生命の成り立ちや起源を解明する学問で、アウトロバイオロジー
  とも呼ばれています。本書は、この宇宙生物学の研究成果を
  医学に結びつけることによって、生命の本質をわかりやすく
  解き明かしていくものです。」

本書の著者は、コメンテーターとして、
マスコミにもたびたび登場する吉田たかよしさん。

東大大学院工学部を卒業後、NHKに入局してアナウンサーになり、
その後、医師になった異色の経歴の持ち主です。

前著に『元素周期表で世界はすべて読み解ける』がありますが、
その前は受験生向けのノウハウ系の本を多く執筆していました。

ですから、吉田さんに対して「第二の和田秀樹さん」という
イメージを持っている方も多いでしょう。

しかし、一度、吉田さんに対する過去のイメージは払拭して、
本書を手にとってください。

本書は、非常に優れたポピュラーサイエンス本。

本書では、これまで医学だけでは説明のつきにくかった
人体の不思議を、宇宙生物学によって「そうだったのか!」と
思わず膝を打つような説明をしてくれます。

例えば、貧血について。

多くの女性が、貧血に悩まされています。
それは、月経によって大量の血液を失うから。

赤血球の原料となる「鉄分」が不足することで貧血という
症状になるのです。

赤血球の中のヘモグロビンは、鉄分を含むことで、
酸素を上手に取り込み、肺から全身に酸素を運ぶので、
鉄不足になると全身に酸素が回らず、めまいがするのです。

ちなみに、血が赤いのは、ヘモグロビン中の鉄の色で、
イカやウミウシなど銅を使って酸素を運ぶ生物は、
血の色が青っぽいことが知られていますね。

さて、ここから本題。

鉄は、地球に最も多く含まれる元素です。
なんと地球の3分の1が鉄。

そんなに入手しやすい鉄ならば、人類の進化の過程で、
貧血にならないように、うまく鉄を取る込めるように
人体を発達できたはずです。

実は、私たちの体は、鉄をうまく取り込めないのではなく、
むしろ体内への摂取を制限しているのです。

なぜ、私たちの体は、つらい貧血になるのに、
体内への鉄分の摂取を制限しているのか?

それは、約30年前に行われたマサイ族の貧血治療の事例に
答えがあります。

マサイ族は主に乳製品だけを食べて生活するので、
全員が軽い貧血です。

この治療のために、鉄剤を配布したところ、
あっという間に貧血は解消しました。

しかし、同時に88%の人がアメーバ赤痢という感染症に
罹ってしまいました。

マサイ族は牛の糞で作られた家に住んでいましたが、
その牛の糞には、赤痢アメーバが棲み着いていたのです。

では、なぜ、貧血の時は感染症にならなかったというと、
病原菌自体も鉄分を必要としたからです。

高等生物から微生物まで、地球上の生物で、
鉄がない状態で生きられる生物はいません。

ですから、体内で病原菌を増殖させないためには、
鉄分を与えない兵糧攻めにするのが効果的なのです。

だから、病原菌から体を守るために、人体はわざと
地球上で入手しやすい鉄分を、吸収しにくくしているのです。

この本から何を活かすか?

本書は、講談社現代新書から出ています。

私は、あまりこのシリーズでたくさんの本を読んでいません。

しかし、記憶をたどってみると、福岡伸一さんの傑作
生物と無生物のあいだ』も、講談社現代新書でした。

意外とと言っては失礼ですが、素晴らしい一般科学の本
出しているんですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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