一生モノの時間術
![]() | 京大・鎌田流 一生モノの時間術 (2013/09/13) 鎌田 浩毅 商品詳細を見る |
満足度★★★
付箋数:20
火山学を専門とする京都大学の教授という立場でありながら、
テレビやラジオにコメンテーターそして出演し、
雑誌では連載を持ち、一般向けの本も執筆する鎌田浩毅さん。
鎌田さんの仕事の密度を見て、
「いったいどんなスケジュールで生活しているの?」
と聞かれることがあるそうです。
その質問に対して、普段の時間の使い方を説明すると、
「そんなことをしているのか!」と驚きの声が上がるそうです。
しかし、それは一般の人からすると新鮮な時間術ですが、
鎌田さんのような科学者からすると、
ごく当たり前の時間の使い方のようです。
「科学の発見に “二匹目のドジョウ” という発想はありません。
常に “100点” か “零点” なのです。
だから、科学者は絶対に “時間との勝負” に勝たなければいけない、
という意識を持っているわけです。」
確かに、どんな素晴らしい研究をしても、
それを論文として、他の研究者より先に発表しなければ、
その功績が評価されないのが、科学者の世界です。
また、科学者といえど大学での講義などもありますし、
研究の8割は論文として発表することさえもできない
デッドワークになるそうです。
そこで必要なのは「選択と集中」。
ただし、一般人からすると、科学の論文は「完璧」な精度で
提出されていると思われがちですが、意外と
「適当なところで手を打つ精神」で発表されているそうです。
ノーベル化学賞や物理学賞をとるような論文でも、
計画の達成度は70~80%程度で、発表されているとか。
要は、肝心なことが言えていれば、アウトプットとして
提出することが優先されているようです。
ですから、本書で解説されるのは、すべてを頑張り過ぎない、
成果を出すためのシンプルな時間術です。
本書で実際に鎌田さんが紹介するのは、
いかにも理系っぽいゴリゴリのノウハウはありません。
しかも、意外と一般のビジネス書で語られる
ノウハウが活用されていることがわかります。
むしろビジネス書のノウハウを科学者という「ろ紙」で、
ろ過した方法論が紹介されているといった雰囲気です。
理系っぽい独自のノウハウを期待して読むと、
ちょっと拍子抜けしてしまうかもしれませんね。
去る者追わず法、シリーズ化法、踊り場法、300字法、
ダメもと法、簡易バージョン法、一時専心法・・・・
本書にはたくさんの「○○法」が紹介されていますが、
いずれも込み入った方法論ではなく、
気軽に試せるシンプルなノウハウばかりです。
それらは、「予測できない未来」に対応するための、
柔軟な時間術・仕事術でもあります。
本書は『一生モノ勉強法』、『一生モノの人脈術』に続く
「一生モノ」シリーズ第3弾ですが、
このシリーズもう少し続きそうな気がします。

「砂時計を活用して集中する」
鎌田さんは、時間の単位を区切って集中するために、
15分の砂時計を使って「時間の可視化」をするのが
理想的と説明しています。
時計や携帯電話のタイマーではなく、
刻々と落ちていく「砂」の様子を見るほうが、
リアルな時間感覚があり、より集中できるそうです。
15分の砂時計、1000円程度からネットで販売されていると
書いてあったので探してみましたが、
意外と砂時計は高かった・・・
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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