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成長戦略のまやかし

成長戦略のまやかし (PHP新書)成長戦略のまやかし (PHP新書)
(2013/08/13)
小幡績

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満足度★★★
付箋数:22

リフレはヤバい』などの著書で知られる、
反リフレ派の論客、小幡績さん。

本書でもアベノミクスに対する鋭い批判がなされています。

しかし、アベノミクス批判の本はいくらでもあるので、
ここでは小幡さん自身が挙げる具体的な政策を紹介します。

それは「高専」政策。

安倍政権でも「高専」、つまり高等専門学校に関する政策が
ありますが、小幡さんの考える政策とは似て非なるものです。

安倍政権の政策は、5年制一貫教育モデルの「高専」を、
アジアの各国に輸出し、現地で人材育成するというもの。

この政策の目的は、日本企業がアジアに進出したときに、
必要となる人材を現地で確保することにあります。

これは考え方によっては、日本のノウハウを使って、
海外の人々の人的資本を蓄積する政策です。

一方、小幡さんの「高専」政策は、それとは真逆の
国内に高専を拡充して、日本の人的資本の蓄積を図ります。

小幡さんの政策は、初等教育の充実という第一の軸と、
労働市場に入る若者が実践的な技術を習得する場をつくる
第二の軸からなります。

そのために必要なのが各都道府県に高等専門学校をつくること。

従来からある工学系の高専とは別の枠組みで、
分野も工学に限らず、農学、経営学、経済学、法学など、
多くの分野で高専をつくります。

それは高校と大学院、あるいは専門学校と大学院を
ミックスさせたようなイメージの
基礎から現場の仕事を学ぶ場です。

この政策のベースになっているのは、
地域で人を育てることが、日本の強さになるという考えです。

日本経済を強くするには、その中心の東京の活力を維持する
必要があり、東京を強くするためには、東京ではなく、
地方を強くする必要があると小幡さんは説明します。

なぜなら、東京の魅力は、大消費地ということよりも、
多様性から生み出されるアイディアにあるからです。

東京は、東京育ちの江戸っ子だけでなく、
全国から、そして全世界から人が集まる多様性が
エネルギーを生み出す街。

  「横浜のほうが東京よりも都会であることは間違いない。
  (中略)神戸も同様だ。しかし、横浜も神戸も
  素晴らしい街なのだが、何かを生み出すエネルギーに関しては、
  東京にまったくかなわない。その意味で東京はダントツだ。
  このエネルギーの源泉は、人々の多様性、そして個々人の
  内部の多様性、地方に育ち、東京で暮らすという二重性にある。」

しかし、今や東京は田舎者の集まりではなくなりつつあります。

親の世代が上京して、生まれも育ちも東京とう人が
次第に増えているそうです。

それは、東大の入学者から地方出身者が
減っている現状を見ても明らかだと説明されています。

東京の多様性を復活させるために、地方を強化する。
その地方に活力を与えるための「高専」の拡充。

言っていることがわからなくもありませんが、
個人的には、かなり道のりが長い政策だと感じます。

この本から何を活かすか?

  「落ちる大企業あれば栄える新興企業あり」

小幡さんは、日本悲観論が蔓延する理由の一つに、
かつての大企業の昨今における業績不振があると指摘します。

しかし、これは一面的な見方で、伝統的な大企業が凋落する一方、
新しい企業が続々と出てきている点にも注目しなければ、
日本経済の現状を見誤るとしています。

これは、もっともな指摘で、逆に新陳代謝がなければ、
日本経済はもっとダメになっていくように感じますね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経済・行動経済学 | 06:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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