活かす読書
ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

大人の投資入門

2008年03月10日
投資 2
大人の投資入門―真剣に将来を考える人だけに教える「自力年金運用法」
大人の投資入門―真剣に将来を考える人だけに教える「自力年金運用法」
(2008/01/12)
北村 慶 商品詳細を見る

満足度★★

非常に、ツッコミどころの多い本です。

著者は、「貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント」が
長く売れている北村慶さんです。

本書は、公的年金を補完するための、
超長期の資産運用に特化した本です。

ですから、現在、公的年金が何で運用しているかも考慮にいれ、
アセット・アロケーションを組みます。

簡単に言ってしまうと、本書の勧める運用は、
「国内外の株式中心のパッシブ運用を、定時定額積立」によって
行うこと。後は、1年に1回程度、リバランスを行います。

これを北村さんは、
「ちょっと賢い、らくちん&ほったらかし運用法」と命名し、
本当に賢い人だけが行う大人の運用法と説明しています。

最近はインデックスファンドだけでなく、
ETFの種類も増えつつありますから、
この方法自体は、一つの投資法として良いでしょう。

しかし、あまりにもデタラメな説明が多すぎます。

冒頭で、1ヶ月1万円(年間12万円)を投資へ回し運用する
Aさん、Bさん、Cさんの3人の投資家の例が紹介されます。

  Aさんは、年間の高値と安値を事前に予測する天才(的中率100%)
  Bさんは、大きな相場の転換点を察知する才能の持ち主
  Cさんは、凡人なので、インデックスファンドの積立運用を行います

8年間運用の結果、Aさんは+16万円、Bさんは+19.7万円。
そしに対し、積立だけしていたCさんは+37万円ということで、
本書の勧める運用方法が、素晴らしいという根拠とされています。

さすがに、この説明を読んだ時は、大笑いしました。

北村さんは、日本人の金融リテラシーの不足を危惧していますが、
私は、本書の内容をそのまま信じることができる人がいれば、
その人の金融リテラシーの不足を、逆に心配してしまいます。

この本から何を活かすか?

繰り返しますが、本書の勧める投資法がダメなのではなく、
根拠とする説明に、デタラメが多く含まれているのが問題です。

例えば、ドルコスト平均法は、どういう前提の時に機能し、
どういう場合は機能しないのかを、きちんと説明すべきでしょう。

私は、本書や、「貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント」を
購入した人には、先週の記事に書いた、吉本佳生さんの
金融機関のカモにならない! おカネの練習問題50」を
併せて読むことを強くオススメします。

吉本さんの本を読んでから、北村さんの本を読むと、
面白いくらい、その作為的なウソの部分に気がつくことでしょう。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book. 
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

コメント2件

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シノ

その例はたった数行で紹介してくださっただけなのに、本当にツッコミどころ満載ですね(笑)

こういう本もあるという意味では勉強になった一冊だったのではないでしょうか。

2008年03月11日 (火) 09:01

ikadoku

シノさん

せっかくですから、もう少し詳しく3人の投資家の例を
紹介します。

・Aさんは、天才投機家であるにもかかわらず、
なぜか、奥さんには頭が上がらず、1年毎に投資資金を回収し、
いったん回収した資金は、すべて銀行預金に回すことを、
奥さんに約束させられ、毎年、12万円の資金だけでの
勝負を強いられてます。

・Bさんは、素晴らしい才能を持っていながら、
なぜか、利を伸ばそうとせず、最高のタイミングで仕込んだ
ものを1年で一気に利食ってしまいます。どうやらBさんは
逆張り投資家のようで、その後に訪れた上昇相場では、
勝てないように設定されています。

・Cさんは、インデックスファンドを毎月1万円積立て
いますが、ドルコスト平均法が機能するように、
最後は相場が上昇して終わる期間がCさんのために
設定されています。

これだけ、条件が違えば、どんな天才投資かも
Cさんに勝てるわけがありません(笑)。

2008年03月11日 (火) 11:33

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