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バブルの死角 日本人が損するカラクリ

バブルの死角 日本人が損するカラクリ (集英社新書)バブルの死角 日本人が損するカラクリ (集英社新書)
(2013/05/17)
岩本 沙弓

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満足度★★
付箋数:18

なぜ経団連は消費税増税を歓迎するのか?

消費税増税は、日本経済全体にとって大きなブレーキとなります。

しかし、消費者の購買意欲が減退すると困るはずの、
経団連や経済同友会などの財界は、消費税増税に諸手を挙げて、
歓迎していると言います。

大阪経済大学教授で経済評論家の岩本沙弓さんは、
消費税増税の裏には、国民が必死に働いて生み出した富を
巧妙に掠め取っていく、強者のルールが埋め込まれていると
指摘します。

  「消費税について国内外の文献を調べ、識者の見解をうかがって
  いくうちに、じょじょにではあるが判明してきた事実があった。
  それは端的に言えば、消費税とはすなわち、輸出企業にとっての
   “打ち出の小槌” だという点に尽きるだろう。」

岩本さんが、「打ち出の小槌」と言っているのは、
「輸出還付金」のことです。

これは、輸出戻し税のことで、輸出企業は国内で生産する時は、
仕入れの際に消費税を払うけれども、国外で販売する時は消費税を
上乗せできないので、その分を政府が還付する仕組みです。

岩本さんは、元静岡大学教授の湖東京至さんの試算結果を引用し、
輸出還付金は、消費税が引き上げられれば引き上げられるほど、
輸出企業に大量の還付金が流れる打ち出の小槌だと明言しています。

そして、税務署ではこの還付金によって赤字を計上し、
医療サービスと比べても優遇されていると指摘。

更には欧州で付加価値税が普及したのは、輸出企業への補助金
として期待された歴史があるとも言及しています。

しかし、いずれも輸出還付金についての「伝聞」を
まとめただけに過ぎず、岩本さん自らそれが本当に
打ち出の小槌、あるいは影の補助金であるかどうかを
計算し、検証を行ってはいません。

ですから、私が読んだ限りでは、ファクトベースで
論理的に話が展開されているというより、
雰囲気だけで自説を展開している印象があります。

タイトルにあるように、岩本さんは現状の日本経済が
「バブル」だとい認識で本書を執筆しています。

  「本書執筆中にも、株高円安が進行し、いよいよバブルの様相が
  日本経済に顕になってきた。しかし繰り返し申し上げてきたように、
  訪れつつあるバブルが中間層を底上げしてくれる保証は
  今のところ乏しい。むしろ、これまでどおり、国内外の一部の
  大企業、既得権益を享受する人や団体など、
  ごく限られた強者だけが、かりそめの景気回復の恩恵に
  あずかる結果になってしまうのではないか。
  そうした懸念を『バブルの死角』というタイトルにこめた
  つもりである。」

本当に現状の日本がバブル経済なら、そこに死角は
あって然るべきですが、そもそも岩本さんにとって、
バブルの定義はどうなっているのでしょうか?

そんなことを考えさせられる本でした。

国民の敵を作り、親しみやすい語り口で書かれているので、
そのまま信じてしまいそうになりますが、
どこまでが事実で、どこからが岩本さんの想像なのかを
見極めて読むべき本だと思います。

この本から何を活かすか?

日本の子どもは相対的貧困?

  「日本の相対的貧困率は、経済的先進国35カ国中9番目に高い
  貧困率であり、OECDでも1人あたりの年収が高い20カ国のなかでは、
  日本は上位から4番目というあまりよろしくない結果がでていた。
  日本の子どもが飢え苦しんでいるということではなく、
  同じ社会にありながら、子どもの生活に大きな格差がある
  ということを示している。」

日本の再分配機能が働いていない証拠として書かれていました。

個人的には、再分配機能が働いているから、
飢えで苦しむ子どもがいないと認識しています。

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| 経済・行動経済学 | 06:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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