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インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?

インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?
(2013/04/19)
佐々木 融

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満足度★★★
付箋数:23

  疑問1 日銀がお札を刷れば、財布の中の1万円札は増える?
  疑問2 問題はデフレで、その克服のためにインフレを目標にする?
  疑問3 日銀が国債を引き受けうとハイパーインフレになる?
  疑問4 円安誘導のインフレで日本経済は復活できる?
  疑問5 インフレターゲットを採用すればインフレになる?
  疑問6 日本国債は日本人が保有しているから売られない?

本書は、デフレ脱却をめぐる6つの疑問に
答えるように構成されています。

つまり、この6つの疑問が本書の目次です。

著者は2011年に『弱い日本の強い円』がベストセラーになった
佐々木融さん。

本書は、その佐々木さんの書き下ろし第2弾です。

佐々木さんは、インフレには3種類あると言います。
その内、「良い」インフレは1つだけ。

1つ目は、原料や食料品の価格上昇による「悪い」インフレ。

このインフレでは、雇用や所得が増加しないまま、
エネルギーや食料品の価格だけ上昇するので、
実質的には購買力が下がります。

2つ目は、お札の価値引き下げによる「最悪」のインフレ。

中央銀行と政府が意図的にお札の価値を下げて、
インフレを起こそうとするパターンで、
ハイパーインフレにつながる可能性があります。

3つ目は、需要の増加による「良い」インフレ。

さまざまは製品やサービスに対する需要が増加すると、
雇用の機会も多くなり、給料も増える。
すると更に需要が増えるという好循環が続く状態。

デフレは悪で、インフレになければならないと主張している人も、
需要の増加を伴ったこのインフレを想定しています。

そして、このタイプのインフレは、製品やサービスの価格が
上昇し過ぎると、需要が減退するため、
ハイパーインフレにもつながりません。

本来、日本が目指すべきなのは3番目の「良い」インフレなのに、
アベノミクスがやろうとしていることは、
2番目の「最悪」のインフレだと佐々木さんは解説します。

そもそも日銀は、短期金利をコントロールすることはできますが、
長期金利をコントロールすることはできません。

長期金利を決めるマーケット参加者が広範囲に及ぶため、
それなりに日銀の影響力は強いにせよ、
完全にコントロールできるわけではないのです。

ハイパーインフレが起こるか否かについては、
識者の間でも意見の別れるところですが、
佐々木さんは可能性はゼロではないと考えているようです。

日銀の国債引き受けだけなら、ハイパーインフレは
起こりませんが、日銀に国債を引き受けさせた政府が、
打ち出の小槌を見境なく振り続ければ、
ハイパーインフレにつながる可能性もあると。

本書では、インフレが私たちの暮らしへ、どのように影響を
与えるのかという素朴な疑問を軸に、経済の仕組みを解説し、
アベノミクスに浮かれる風潮に警鐘を鳴らす一冊です。

また、あまり本筋ではありませんが、
本書には、佐々木さんが新卒で日銀に入行した後、
発券課に配属された際のエピソードなども紹介されています。

お札の山を台車で運んだり、自動監査機にお金を流し込む作業を
していた話などは、けっこう新鮮でした。

この本から何を活かすか?

本書には、特別付録として、「現役ストラテジストが
顧客にしか教えない為替の構造要因と見通し」が掲載されています。

わずか30ページ程度の付録ですが、これがなかなかイイ。

見通しはこうなりますという結果よりも、
見通す過程も解説されていますから、参考になります。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 経済・行動経済学 | 10:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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