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なぜタクシーは動かなくてもメーターが上がるのか

なぜタクシーは動かなくてもメーターが上がるのか―経済学でわかる交通の謎なぜタクシーは動かなくてもメーターが上がるのか―経済学でわかる交通の謎
(2013/04/24)
竹内 健蔵

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満足度★★★★
付箋数:24

  「あっ、渋滞にはまってしまった。全然動いていないのに
  タクシーメーターの数字が上がっていく。
  何で1センチも動いていないのにメーターが上がるんだ?
  たしかJRは二時間遅れたら特急料金を払い戻してくれるが、
  タクシーは乗客が払う。
  なんで鉄道とタクシーで対応が正反対なんだ。」

タクシーの運賃について、このように思っている人も
多いかもしれません。

私たちの日常には交通の話題があふれています。
そこには、交通機関に対する不満や素朴な疑問が含まれています。

路線バスで子供も大人と同じ席を占有しているのに、
なぜ、運賃は大人の半額なのか?

なぜ、航空運賃は安くなったのに、鉄道運賃は安くならないのか?

本書はそんな交通の疑問に、経済学を使って答える本。

著者は、「交通経済学」を専門とする竹内健蔵さん。

ちなみに、本書のタイトルにもなっている、
動かなくてもタクシーメーターが上がる不思議については、
次のように考えます。

実は、タクシーには2つの費用が発生しています。

1つは、誰もが思いつく、人を運ぶための「運賃」。

もう1つの費用が、この問題を理解する鍵。
それは、経済学でいうところの「機会費用」です。

機会費用とは、オポチュニティ・コストとも呼ばれ、
複数の選択肢がある時に、ある行動を選択することで失われる、
他の選択肢を選んでいたら得られたであろう利益のこと。

つまり、もしタクシーが渋滞にはまっていなければ、
他の客をどんどん拾って稼げたであろう利益が、
時間費用として乗客に上乗せされているのです。

それが、タクシーに採用される時間距離併用費用なのです。

では、なぜ同じ遅れで時間を取られても、
JRは反対に特急料金を払い戻してくれるのか?

それは、交通機関と客のどちらに機会費用が
発生しているのかを考えてみると理解できます。

タクシーの場合、運転手は行き先を選べませんから、
渋滞にはまった原因は客側にあり、運転手に機会費用が発生します。

一方、JRは目的地に早く着くことの対価として特急料金を徴収し、
客側は早くことで得られた時間で、経済活動を行うことができます。

ですから、客側に責任のない理由で列車が遅れると、
早く着いて仕事をする選択肢が奪われてしまうので、
機会費用は客側に発生するのです。

ついでにバスの場合は、道路混雑で遅延が生じても、
バス会社の責任ではない、つまりバス会社が客側に機会費用を
発生させているわけではないので、払い戻しは行われていないようです。

このように経済学の機会費用の考え方を使うと、
釈然としなかったタクシーメーターや払戻しの問題について、
すっきり理解できるのです。

交通に関する素朴な疑問に答えてくれる本は少ないので、
経済学という統一的な視点からわかりやすく解説してくれる
本書は貴重な存在です。

この本から何を活かすか?

通学定期券の割引分は誰が負担しているのか?

  「結論から言えば、負担しているのは同じ鉄道やバスを
  使っている一般の利用客ということになる。」

これは、教育を受けやすくして、教育を受けた人が増えると、
社会全体に恩恵があると考える政策的な割引です。

ならば学生にも、自分たちの交通費を一般客が負担してくれていて、
今受けている教育で将来社会貢献することが、
その対価になっていることを知ってもらった方がいいですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 経済・行動経済学 | 07:38 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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