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不完全性定理とはなにか

不完全性定理とはなにか (ブルーバックス)不完全性定理とはなにか (ブルーバックス)
(2013/04/19)
竹内 薫

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満足度★★★★
付箋数:25

  「私見では、アインシュタインの相対性理論と量子論と
  ゲーデルの不完全性定理が20世紀の “理数系3ワカラン”
  という気がする。」

これらは、いくら知識が増えても、概念的な飛躍がないと、
理解できない知の革命。

本書では、サイエンス・ライターの竹内薫さんが、
3ワカランの1つに認定した、クルト・ゲーデルさんが証明した
「不完全性定理」を比喩などを使いながら解説します。

目指したのは、「単なるお話」と「教科書」の中間に位置する
不完全性定理の超入門。

専門的な本へのつなぎ役として、ゲーデルさんや
アラン・チューリングさんのエピソードも交えながら、
不完全性定理の理解に迫ります。

  第1不完全性定理
  自然数論を含む帰納的に記述できる公理系が、ω無矛盾であれば、
  証明も反証もできない命題が存在する。

  第2不完全性定理
  自然数論を含む帰納的に記述できる公理系が、無矛盾であれば、
  自身の無矛盾性を証明できない。

簡単に言うと、「正しくても常に証明できるとは限らない」
ということを言いたいわけですが、ここに至るまでの道のりは
けっこう長いです。

無限ホテル、無限の順序数と濃度、対角線論法、
論理学の基礎、ペアノ算術、ゲーデル数

これらをそこそこ理解して、やっと不完全性定理を証明する
「あらすじ」までたどり着きます。

これらの準備は “理数系3ワカラン” の1つを理解することを
目指すわけですから、やむを得ないところです。

辛抱強く、読み返しながら一歩ずつ先に進むしかありません。

正直に言うと、私はけっこう時間をかけて本書を読みましたが、
内容の30%程度しか理解できませんでした。

カントールさんの対角線論法までは、目から鱗という感じで、
ハッキリ理解できていましたが、先に進むにつれ、
だんだん怪しくなっていきました。

第1不完全性定理は、なんとなく見えてきた気がしますが、
第2不完全性定理は、かなりモヤモヤとした感じです。

私のレベルでは、一度読んだだけでは、
完全に知識の飛躍はできなかったということです。

しかし、それで本書がわかりにくいということにはなりません。

あくまでも、そもそもの不完全性定理の理解が
難しいということです。

  「この本を読んで得をする読者は、きわめて少数かもしれない。
  私としても、こういうニッチな仕事よりも、
   “ビジネスマンのためのフェルミ推定” みたいな本を書いたほうが
  お金が儲かるのだが、数年に一度くらい、自らの知的好奇心に正直に
  ニッチな本を書く、ということがあってもいいように思う」

本書は、竹内さんが、サイエンス作家としてのプライドをかけて
書いていることが伝わってくる意欲作です。

この本から何を活かすか?

パズルで不完全性定理を理解する。

スマリヤンの決定不能の論理パズル』には、
次のようなパズルが載っているそうです。

  本当のことしか言わない「騎士」と、ウソしか言わない「奇人」が
  同じ島に住んでいました。

  島にはクラブⅠとクラブⅡの2つの社交クラブがあり、
  騎士は必ずどちらか一方のクラブに所属していますが、
  奇人はウソつきなので、どちらからも閉め出されています。

  ある日、この島を訪れたあなたはこの島の未知の住民が
  言ったことから、彼がクラブⅠの会員であることを
  推理できたとします。
  
  その人はなんと言ったのでしょうか?

この島の住人が、騎士か奇人かがわからないところがミソのようです。

このパズルを考えることが、ゲーデルさんの思考をたどることに
つながり、不完全性定理の理解に近づくそうです。

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| 数学 | 07:03 | comments:1 | trackbacks:1 | TOP↑

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