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人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか

人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか (新潮新書)人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか (新潮新書)
(2013/03/15)
森 博嗣

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満足度★★★★
付箋数:26

本書は小説家・森博嗣さんによる「抽象的思考」のすすめ。

「あとがき」に次のようなエピソードが紹介されていました。

あるとき森さんは、これから庭の芝生に農薬を撒くので、
犬を外に出さないように、奥さんに伝えました。

奥さんは、これに対して「わかった」と頷きます。

そして、森さんは庭で農薬散布を始めましたが、
作業も後半にさしかかった頃、
庭で何か作業をしている奥さんの姿が目に止まります。

森さんが「何をしているの?」と尋ねると、
「夕飯のためにシソの葉を採っている」との奥さんは答えました。

森さんの言葉通り、奥さんは犬を家から出さなかったそうですが、
夕飯で食べるシソの葉に農薬がかかる可能性については、
まったく考えなかったようです。

  「 “犬を外に出すな” という具体的な指示に囚われていたから、
  そもそもの理由、もっと大事な本質を捉えていない証拠といえる。」

具体的なことは、わかりやすい。

しかし、それはある一面しか表していないので、
それだけに囚われてしまうと、本質を見逃してしまう可能性があり、
他に応用することもできません。

一方、物事を抽象的に捉えると、焦点が合わずぼんやりとした
感じはするけれど、複雑な詳細を省いた本質だけが残ります。

だから、その考えを適用できる範囲が広がります。

つまり抽象的思考をする方が、柔軟に発想できるということです。

  「発想力が不足し、自力では思いつけない場合でも、
   “~のようなもの” という抽象的な目で探してさえいれば、
  人が言ったこと、本で読んだことなど、外部から飛び込んでくる
  情報の中に、待っていた答えを見つけることができる。」

本書では、抽象的な思考をすることの優位性が、
あまり具体的な例を挙げずに、述べられています。

なぜなら、本書でわかりやすい具体例で説明することも、
「具体性の罠」に陥ることにつながるからです。

本書全体が抽象的思考について抽象的に述べていますから、
ぼんやりとした印象を与えるかもしれません。

また、どうすれば抽象的思考ができるようになるかについても、
いくつかのヒントが紹介されている程度です。

  ・なにげない普通のことを疑う
  ・なにげない普通のことを少し変えてみる
  ・似たような状況がほかにないか探す
  ・喩えられるものを連想する
  ・創造的なものに触れ、自分でも創作する

これらは、先日紹介した木村尚義さんの『ひらめく人の思考術
で書かれていた「ラテラル・シンキング」の発想法に
通じるところがありまますね。

本書は映画に喩えると、単純明快なハリウッド映画ではなく、
人間の本質を描くことを重視したヨーロッパ映画という
雰囲気ですから、人を選ぶ本だと思います。

「発想力を身につける五つの方法!」といったタイトルに、
魅力を感じる人には合わないかもしれません。

森さんが、執筆後に考えた原題は「抽象思考の庭」でした。

本書は最終的に編集部に一任して、新潮新書では最長のタイトル
「人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか」
になったそうです。

この本から何を活かすか?

私たちが「発想」するには次のような思考の経過をたどります。

1. 具体的な事象を見たら、一度、その抽象度を上げる。
2. 抽象化されたことを、別の事象に焦点を当て、抽象度を下げる。

個人的は、このように抽象と具象の間を、
何度も行き来することが重要だと考えます。

森さんも本書で、抽象思考の後に、論理的思考が必要で、
最終的には具体的な行動が必要だと述べています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 07:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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