世界最高ホテル「ザ・プラザ」 超一流の働き方
2013年05月17日
![]() | 世界最高ホテル「ザ・プラザ」 超一流の働き方 (2013/04/25) 奥谷 啓介 商品詳細を見る |
満足度★★★
付箋数:23
アップルシード・エージェンシーさんより献本頂きました。
ありがとうございます。
本書は、一流を超えた「超一流」の仕事の流儀を示す本。
著者は、「プラザホテル」のアジア地区営業部長を
10年務めた奥谷啓介さん。
奥谷さんが務めていたのは、ニューヨーク・マンハッタンの
レジェンドホテル「The Plaza Hotel」。
日本にもプラザと名の付くホテルはたくさんありますが、
それらとは次元の違う、超高級ホテルです。
1985年にドル安へ誘導する方針を決めた、
あの「プラザ合意」の舞台となったホテル。
また、フィッツジェラルドさんの小説「グレート・ギャツビー」や
「ホーム・アローン2」の舞台となったことでも知られています。
プラザホテルは2005年から2008年までの3年間、
改装工事のため休業し、再開後は、コンドミニアム中心の営業に
切り替わっているようです。
奥谷さんは、この休業のタイミングで同ホテルを退職し、
ホスピタリティのスペシャリストして活躍しています。
本書では、プラザホテル時代の経験を中心に、
一流の働き方と、超一流の働き方の違いを語ります。
奥谷さんは、プラザホテルに勤め始めた頃、
上司から声をかけられたそうです。
「君が来てくれたおかげで、アジア人のゲストからの苦情は
ほとんど出ていない。たぶん人の2倍は働いているんだろう。」
当時の奥谷さんは、早朝から深夜まで働き、
休みも月に2日くらいしか取っていませんでしたが、
謙遜して「いえ、1.5倍くらいです」と答えました。
自分の働きぶりを褒めてくれる意味で、
上司が声をかけてくれたのだと、奥谷さんは思いました。
しかし、次に上司の口から出た言葉は、
奥谷さんの予想とはまったく違うものでした。
「そうか。でも私は、君に人の2倍どころか、
5倍の働きを期待しているんだ」
かなりのハードワークをしても人の2倍が限度。
5倍の要求なんて無茶苦茶だと、奥谷さんは内心思いました。
一体どのようにしたら、人の5倍も働けるのでしょうか?
この時、上司は奥谷さんに「何のために働いているか」を
問いました。
奥谷さんの答えは、2つの責任感。
ひとつはゲストのため、もうひとつは会社のため。
その答えを聞いて上司は言います。
「なるほど。だが、それらがモチベーションでは、
人の2倍の仕事はできても、5倍の仕事はできない。
なぜ “自分のために” というフレーズが出てこない?」
つまり、人のためという義務感からではなく、
自分が心からワクワクして働くようにならなければ
人の5倍もの働きはできないということです。
ゲストのためにという気持ちは立派ですが、
その精神だけでは「ここまでしてあげたんだから」という
逃げの理由ができあがって、自分の成長の壁になるようです。
「一流が、責任感で働くならば、
超一流は、自分のために働く」
本書で紹介されている「超一流の働き方」は、
仕事に対する「取り組み方」や「考え方」なので、
どんな職種の人が読んでも参考にできそうです。

超一流の働き方をしている人でも、意外と感じていることは、
私たちと変わりません。
「仕事の日々は、 “面倒” という気持ちとの戦いでもある。
誰からどんなに面倒な要求をされても、いつもさわやかな笑顔で
対応するには、神の心が必要なのだろうと思ってしまう。
私にはそこまでの気持ちを持つことは難しい。」
こういった気持ちが書かれているので、ホッとしますね。
しかし、その面倒な気持ちを超えて仕事をするヒントが
本書には示されています。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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