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鳥類学者 無謀にも恐竜を語る

鳥類学者 無謀にも恐竜を語る (生物ミステリー)鳥類学者 無謀にも恐竜を語る (生物ミステリー)
(2013/03/16)
川上 和人

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満足度★★★★
付箋数:27
あなたは、ドラえもんの映画「のび太の恐竜」を知っていますか?

1980年公開の映画化第1作『ドラえもん のび太の恐竜』が
リメイクされ、2006年に『映画ドラえもん のび太の恐竜 2006』として
公開されました。

その作品のメインキャラクターとして登場するのは、
恐竜のピー助。

しかし、本書の作者、川上和人さんは、
子供たちの夢を打ち砕く、衝撃の事実を告げます。

  「残念ながらピー助は恐竜ではない。
  さらに、のび太はタイムふろしきで化石の卵を孵化させるが、
  最近の研究では首長竜は卵生ではなく胎生の可能性が
  指摘されている。
  科学は、ときに子供の夢を壊す悪魔になる。」

私も、首長竜はてっきり恐竜だと思っていましたが、
どうやら違うようです。

その代わり、本書は日常生活の中で、別の夢を与えてくれます。

  「冬の寒い日曜日に、家族みんなで水炊きを食べるとき、
  お父さんが息子に “これは恐竜なんだぜ” と
  語りかけることができる。家庭での会話が豊富になり、
  父親の権威が上昇することは、巡り巡って世界の平和に
  つながることなので、これはこれで重要である。」

本書の大前提になっているのが、首長竜や魚竜や翼竜は
恐竜ではないけれど、「鳥は恐竜である」ということ。

これは、1995年に中国・遼寧省で「羽毛恐竜」の化石が
発見されたことで起こった恐竜学のパラダイムシフトです。

この発見により、鳥類が恐竜から進化してきたことが
明らかになりました。

  「本書の主題は、鳥類と恐竜の緊密な類縁関係を拠り所とし、
  鳥類の進化を再解釈することと、恐竜の生態を復元することである。」

本書では、鳥類学者の川上さんが、鳥類と恐竜の境界が
曖昧になったことを利用し、鳥類学の立場から恐竜の生態を
プロファイリングすることを試みます。

実は、羽毛恐竜の発見は、恐竜図鑑にも大きな影響を与えています。

私が子供の頃に図鑑で見た恐竜の姿は、
図鑑によってその姿が異なりました。

なぜなら、恐竜の姿は想像の産物だったからです。

実際に外見を決定づける化石が見つかっていなかったので、
各図鑑では想像力を駆使して、恐竜らしい恐竜を描いていました。

一方で、恐竜の色は薄茶色かねずみ色の単色が定番。

カラフルな恐竜を描く図鑑はありませんでした。

しかし、現在の恐竜図鑑は、私が子供の頃に
見たものとは大きく違っているようです。

最近の恐竜はカラフルで、一部の種では同じ姿で描かれる
ようになりました。

これも羽毛恐竜の化石の発見により、外見上の形と色彩が
わかるようになったからです。

本書は、鳥に興味がない人も、恐竜に興味がない人も
楽しめる非常に優秀な「生物ミステリー」本。

知的好奇心を刺激するのはもちろんですが、
川上さんが、かなり悪ノリして軽快な口調で語るので、
生物に興味がない人でも十分に楽しめる本になっています。

また、イラストレーター「いるしま さく」さんの挿絵も素敵。

私が最近読んだ本の中では、最も人に薦めたいと思う本でした。

この本から何を活かすか?

  「本屋で愕然とした。
  大手出版社の図鑑で、鳥より先に恐竜の巻が出版されていたのだ。
  これは由々しき事態だ。なんとかしなくてはならない。」

川上さんのこの思いが、本書を執筆する原動力になったそうです。

念のため講談社の図鑑で調べてみました。

  ・「恐竜 (講談社の動く図鑑MOVE) 」 2011/7/15刊行
  ・「鳥 (講談社の動く図鑑MOVE)」 2011/11/10刊行

確かに、鳥より恐竜の巻が、4ヶ月ほど先に出ているようですね。

こうして調べていると、最近のカラフルな図鑑を
見てみたくなりました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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