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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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評価と贈与の経済学

評価と贈与の経済学 (徳間ポケット)評価と贈与の経済学 (徳間ポケット)
(2013/02/23)
内田樹、岡田斗司夫 FREEex 他

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満足度★★★
付箋数:22

本書の表紙の写真、何という魚かわかりますか?

そう、この魚はイワシ。

なぜイワシの写真が使われているかと言うと、
岡田斗司夫さんが、現代の日本を「イワシ化」した社会と
言っているからです。

  「イワシって小さい魚だから、普段は巨大な群れになって
  泳いでいる。どこにも中心がないんだけども、
  うまくまとまっている。自由に泳いでいる。
  これは見事に、今の日本人なのではないかと。
  そのときの流行りとか、その場限りの流れだけがあって、
  評価の中心みたいなものがなくなっているんじゃないかと
  思いますね。」

みんなの流行りに何となく乗り、何かがバッシングされだすと、
同じようにバッシングする。

一見まとまっているように見えて、何かが起こると、
バラバラになって逃げていく。

イワシ化社会とは、実にうまい形容ですね。

では、現在はイワシ化した社会だとして、
今後の私たちの社会はどのように変わっていくのでしょうか?

本書はその答えを探るための対談本。

岡田さんが提唱するのは、「評価経済社会」。

この考えは、以前このブログでも紹介した『評価経済社会』で
詳しく解説されていますが、貨幣ではなく「評価」を仲介にして、
「モノ」や「サービス」、そして「カネ」が交換される
社会です。

一方、対談相手の内田樹さんが提唱するのが、「贈与経済社会」。

贈与経済社会については、本書で次のように説明されています。

  「あっちからパスが来たら、次の人にパスする、そうすると
  また次のパスが来る。そういうふうに流れているんですよ。
  パス出さないで持っていると、次のパスが来ない。
  来たらすぐにワンタッチでパスを出すようなプレイヤーの
  ところに選択的にパスが集まる。そういうものなんですよ。」

要するに、自分のところに来たものは持ったままでいないで、
次に「パス」することで経済を回す社会。

回すものは、モノじゃなくてもサービスでも、
ちょとした親切や手伝いだっていい。

本書の対談の大きなテーマは2つあります。

1つは、評価経済や贈与経済に見られるような、
財貨・サービス・知識・情報の「新しい交易」のかたちについて。

もう1つのテーマは、その新しい交易を行ううえでの、
「新しい共同体」のありかたです。

ここでは、暴力系ではない文系のヤクザのような、
「拡張家族」という概念が、岡田さんから提示されていました。

世代やモノの見方が違うお二人ですが、
見えている未来はかなり近いものがありました。

最初は岡田さんがハイテンションで前半から飛ばし気味で、
内田さんは岡田さんの若者学などを吸収しながら、
後半から徐々にアクセルを踏み込んでいく印象です。

いずれにせよ、お二人の考えが化学反応を起こして、
より高い次元に入っていくような感じがある対談本です。

この本から何を活かすか?

岡田さんの会社「FREEex」のシステム。

社員に給料を払う代わりに、社員が毎月1万円を払って、
岡田さんに仕事をする権利をもらいます。

岡田さんは社員から給料をもらう代わりに、
著書の印税、講演や授業を行った講師料などはもらわずに
働く契約になっているそうです。

と言っても、社員になる人は別に本業があって
もともと食べていくには困らない人ばかりで、
あの堀江貴文さんも社員になっているそうです。

以前、このシステムのことを聞いてもピンときませんでしたが、
これって中世の芸術を支えていたパトロンの制度を
小口化したイメージなんですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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