活かす読書
ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

価格の心理学

2013年04月17日
経営・戦略 0
価格の心理学 なぜ、カフェのコーヒーは「高い」と思わないのか?価格の心理学 なぜ、カフェのコーヒーは「高い」と思わないのか?
(2013/02/15)
リー・コールドウェル

商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:25

あなたは、デジタルカメラを買うことになりました。

知人からのアドバイスで、メーカーはニコンかソニーの
どちらかに絞り込んでいます。

商品を買うために、近くのカメラ店に行ってみると、
次の2つの商品が並んでいました。

  ・ニコン バッテリー持続10時間、光学20倍ズーム、
       重さ600g、厚さ5cm、価格46,000円

  ・ソニー バッテリー持続5時間、光学16倍ズーム、
       重さ350g、厚さ2cm、価格39,800円

それぞれの長所があるので、どちらにするか決断できずにいると、
一人の店員がある行動を起こします。

すると、あなたは少し考えて、ニコンの購入を決めました。

さて、その店員は、どんな行動をとって、
あなたに利益率の高いニコンのデジカメを買わせたのでしょうか?

ちなみに、その店員は商品の説明やセールストークを
一切行なっていません。

その店員がとった行動とは、ある商品を倉庫に取りに行って、
先ほどの2つの商品の横に並べることでした。

並べた商品は、ニコンのデジカメの旧モデル。

  ・ニコン バッテリー持続9時間、光学18倍ズーム、
       重さ600g、厚さ5cm、価格47,400円

今まで性能も携帯性も価格も違った2つの商品で、
優劣がつけられなかった状況でしたが、この旧モデルの登場により、
ニコンの商品同士では、優位性がハッキリしました。

どう間違っても、性能が劣り価格が高い
ニコンの旧モデルを買うことはあり得ません。

言ってしまえば、倉庫から持ってきた旧モデルは
単なる「おとり」ですが、効果は抜群。

この店員は、倉庫で眠っていた旧モデルを
ただ並べただけで、あたながニコンの新モデルを買うように
無言の説得をしたのでした。

これを専門用語で「非対称の優位性」と呼ぶようです。

その商品の価格が高く感じるか、安く感じるかは、
何と比較するかで全く違う印象になってしまします。

  「本書は、価格に対する顧客心理をビジネスに活かす方法を、
  手順ごとにわかりやすく伝える解説書である。
  どんな商品やサービスを販売する業種であっても、
  顧客が個人であっても法人であっても、
  あるいは行政機関であっても、役に立つ内容になっている。」

著者は、英国の価格リサーチの専門家で、
認知・行動経済学者で数学者でもあるリー・コールドウェルさん。

本書では、「チョコレートティーポット」という
架空の商品とそれを販売する架空の企業を登場させ、
ストーリーで追いながら、価格戦略を解説します。

価格戦略は企業にとっては死活問題。

原価に利益を上乗せしたり、競合商品の価格に合わせるだけの
従来の価格の決め方だけでは、利益を上げにくい時代になりました。

最初のデジカメの例でもわかるように、
顧客は意外と不合理な商品の選択をしてしまいます。

本書は、購買心理学と行動経済学の観点から考える
新しい「価格戦略」の教科書。

実際に使える価格決定のためのフォーマット付録や、
参考文献や引用資料などについても詳しく掲載された、
信頼できそうな一冊です。

この本から何を活かすか?

本書の内容の大半は、大手企業の幹部やコンサルタント、
シンクタンクの研究員用のマニュアルとして、
当初は21,700円で販売されていたそうです。

その後キャンペーンのため、価格を4,690円に大幅値下げして、
規模の小さな企業に販売。

さらに書籍化して一般向けに1,600円で販売したのが本書です。

どの価格で本書の内容を学んだ人も、
コールドウェルさんの価格戦略に、
うまく乗せられたということなのでしょう。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
関連記事

気に入ったらシェア!

ikadoku
この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

コメント0件

コメントはまだありません