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スマート・シンキング

スマート・シンキング    記憶の質を高め、必要なときにとり出す思考の技術スマート・シンキング 記憶の質を高め、必要なときにとり出す思考の技術
(2013/02/28)
アート・マークマン

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満足度★★★★
付箋数:26

  「リー医師は問題を抱えていた。患者の胃に腫瘍が見つかり、
  悪性の可能性が高い。運悪く、腫瘍は手術で切除できない場所に
  できている。そうなると、とれる処置は放射線治療だけだ。
  ところが、唯一のその処置にも問題があった。癌細胞を殺せるほどの
  強力な放射線を照射すれば、周辺の健康な組織まで殺して
  回復不能な損傷を与え、患者の命を危険にさらすことになる。
  治療を成功させるために、リー医師はどうすればいいのだろう?
  
  少し時間をかけてこの問題を考えてみよう。」

これは心理学者カール・ダンカーさんが、洞察力を測るために
考案した問題で、本書の第5章(180ページ)に掲載されていました。

実はこの問題を解くヒントが、本書の24ページにありました。

それは、工場での焼き切れたフィラメント修理をする
キース・コウさんのエピソードです。

ここで問題なのは、私が著者のアート・マークマンさんから、
「24ページのエピソードをヒントに答えを類推しよう」
と言われなければ、そのケースを応用できることに
気がつかなかったこと。

もし、この問題の直前に工場のエピソードが掲載されていれば、
私をはじめ、多くの人はその話を応用すれば良いと気付くでしょう。

しかし、100ページ以上も離れたところに載っていたエピソードが、
応用できると気付くのは、簡単なことではありません。

  「キース・コウの物語は、リー医師の問題を解決するのに応用できる。
  だが普通の人は、この問題を一度読んだだけでキース・コウのことを
  思い浮かべることはできない。本書をはじめからきちんと読んでいても、
  この話が出てきたのは第1章である。たとえ新しい問題の解決に
  有用だとしても、あなたはあの物語を思い出しはしなかっただろう。」

問題解決の一つの有効な方法は、既知の知識を応用すること。

でも実際には、知っている情報と関連付けて、
必要なときに記憶から知識を引き出すことは意外と難しい。

マークマンさんが、この問題を解くために必要な要素として
挙げるのが、問題を見直してその「本質」を見極める力。

この力を高めるには、「ことわざ」による訓練が効果的なようです。

ことわざには、短い言葉の中に、
意味として深い知恵が込められています。

ですから、ことわざを、一度より抽象的な言葉に言い換え、
頭に浮かんだ別の状況を当てはめるエクササイズが有効。

本書でマークマンさんが説明するスマート・シンキングは、
IQのような知能とは異なります。

それは、ジェームズ・ダイソンさんが、
製材所にあったサイクロン式集塵装置をヒントに、
新型の掃除機を開発したような発想法です。

スマート・シンキングに必要なスキルは、次の3つ。

  1. 質の高い知識を獲得する
  2. 賢い習慣を身につける
  3. その知識を応用する

本書では、スマート・シンキングに、この3要素が欠かせない
科学的根拠を示し、同時にこれらをを身につける訓練方法も
提供します。

本書は、最先端の認知心理学の知識と、
実用的な内容のバランスがとれた一冊です。

この本から何を活かすか?

本書の24ページに掲載される、キース・コウさんのエピソードです。

  「キース・コウは工場で導入していた照明のフィラメントが
  非常に高価だったので、焼き切れてしまったときに、
  新しいものを買わずになんとか照明を治す方法はないかと考えた。
  工場にレーザーがあったので、彼はそれを使ってフィラメントを
  修理しようとした。薄い電球のガラスを傷つけないよう、
  微弱なレーザーをフィラメントの焼き切れた部分に
  さまざまな方向から照射する。弱いレーザーを何度も同じ場所に
  当てることにより、フィラメントが溶け、
  元どおりに修復することができた。」

つまり、リー医師は弱い放射線をさまざまな方向から何度も
腫瘍に向けて放射し、腫瘍を死滅させることができるというわけです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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