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ikadoku

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金融緩和で日本は破綻する

2013年03月27日
経済・行動経済学 0
金融緩和で日本は破綻する金融緩和で日本は破綻する
(2013/02/01)
野口 悠紀雄

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満足度★★★
付箋数:23

本書は、反リフレ派である野口悠紀雄さんによる、
アベノミクスへ浮かれる日本へ警鐘を鳴らす本です。

ダイヤモンド・オンラインに2012年1月から12月にかけて
連載した「経済大転換論」をベースに加筆・編集したもの。

本書で述べられる野口さんの3つの主張は、
「はじめに」を読んだだけでもわかるように、
明快にまとめられています。

  「第一に、金融緩和を叫ぶ前に、これまでの金融緩和が
  有効だったか否かを、冷静に客観的に検証すべきだ。」

要するに、過去の金融緩和は効果がなかったことを
言っているわけです。

国債購入によってマネタリーベースが増えても、
マネーストックが変化しないことの説明は、
本文で詳細に行われていますが、
これが素人が読んでも非常にわかりやすい。

  「(従来の金融緩和は効果がないが)日銀による国債の
  直接引き受けを認めれば、事態は一変する。
  なぜなら、政府は、税制改正なしに、そして市場の制約なしに、
  いくらでも財源を調達できるからである。
  これは、政府にとっては究極の錬金術であり、国民から見れば
  法律によらずに財産を没収される手段なのである。」

この2点目の主張は、金融緩和の真の目的は国債購入にあり、
日銀が国債を引き受けることで、コントロールの効かない
インフレと円安をもたらし、更にはキャピタルフライトが起こり、
日本経済が崩壊するというシナリオです。

  「現在の日本経済が抱える問題は、金融緩和や財政拡大などの
  マクロ経済政策で解決できるものではない。
  とくに金融緩和は、問題を一時的に見えなくするための
   “麻薬” でしかない。日本経済を活性化するには、
  構造改革が不可欠せある。これが強調したい第三点だ。」

本書では、アベノミクスで金融緩和がどのような結末を
もたらすかは述べられていますが、どのような構造改革が
必要であるかについてまでは、踏み込んでの説明がありません。

これは野口さんの本についてはいつも言えることですが、
説明が非常に論理的で説得力があります。

各論で見ても、データ分析、引用元、図表、補講が
整備され理想的な説明になっています。

私がここ最近で読んだアベノミクス関連本(『リフレはヤバい』、
アメリカは日本経済の復活を知っている』) と比較しても、
最も精密に分析し納得できる説明がなされています。

だからこそ余計に、安倍政権がすすめる金融緩和によって
日本がハイパーインフレに突入してもおかしくない
という結論には、違和感が残ります。

風が吹けば桶屋が儲かる的な、展開になっている印象。

しかしながら、各論での説明は非常にわかりやすいので、
アベノミクスに賛成する人も、反対する人も
一読する価値のある本だと思います。

この本から何を活かすか?

2013年1月20日放送のNHK日曜討論では、
「どうなる日本経済 アベノミクスを問う」と題し、
浜田宏一さんと野口悠紀雄さんの討論が行われていました。

しかし、私はこの討論を見逃してしまった。

そこで有料でも見たいと思って「NHKオンデマンド」で
探しましたが、そこにも映像はありませんでした。

会員登録しても、いまいち使えないNHKオンデマンド・・・・

仕方がないので、ネット上でアップされている
同放送の動画を探して見ることにしました。

2013-01.20 浜田宏一内閣官房参与出演!「アベノミクスを問う」

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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