7つの動詞で自分を動かす
2013年03月22日
![]() | 7つの動詞で自分を動かす - 言い訳しない人生の思考法 (2013/01/31) 石黒 謙吾 商品詳細を見る |
満足度★★★
付箋数:20
「受動的姿勢から立ち上がり、自分で自分の背中を
どうやって押すか。手が届かないそこに対して。
その対策としては、自分の意識の変化しかありえず、
最終的には誰も手伝えるものではありません。
だから、まず自分でやったかやらないか判別可能な “動詞” を
思考の中に刷り込みましょう。」
本書が教えるのは、自分で自分の背中を押す方法。
それが、7つの動詞で考えて、能動的になる思考法です。
著者は、映画化、TVドラマ化された『盲導犬クイールの一生』の
原作者として知られる石黒謙吾さん。
『2択思考』などの本も執筆している方です。
本書では、7つの動詞をどのように使うべきかを確認しながら、
石黒さんの半生を振り返ります。
タイトルからすると自己啓発本のイメージですが、
石黒さんの自伝的な要素の強い本です。
紹介されている内容は、すべて石黒さんが体験したり、
見聞きしたことがベースになっています。
ハッキリ言って、それほど高尚な話しではなく、
生活感のあるベタな話しが多いです。
だからと言って、ビジネスでは役に立たないなどど
考えないでください。
「もしあなたが、こんなもの読んだって役に立たないと
感じるとしたら、それは物事を置き換えて当てはめる力、
イメージの広がりが不足しているのかもしれません。
“この話は、自分の仕事や生き方に転化させれば、
こういうことだ” と納得していただけるようなら、
述べる内容の吸収はぐっと深くなると思います。」
本書で紹介される動詞は、次の7つ。
「ぶつける」、「分ける」、「開ける、」、「転ぶ」、
「結ぶ」、「離す」、「笑う」
最終章では、これらに加えて「捧げる」という動詞も
紹介されているので、正確には8つの動詞となりますが、
基本は、7つの動詞をモチーフに話しが進みます。
また、ニュアンスを正確に伝えるために、
これらに似ているけれど、意識に大きな差がある動詞を
比較対象として紹介しています。
例えば、「ぶつける」と「ぶつかる」。
1文字違いで、ほとんど同じ意味のこの2つの言葉ですが、
「ぶつかる」は相手からぶつかってくる場合など、
他者の行動を指す場合もあるので、受動的な言葉です。
一方、「ぶつける」は、自分の意思しか介在しない、
能動的な動詞です。
本書では、言い訳しない人生を歩むために、
あくまで行動の選択権が自分にある動詞で考えます。
本書で紹介される7つの動詞を中心に生きることは、
苦しいこともあるでしょう。
しかし、そこには「やらされる」苦痛はありません。
つまり、苦しいながらもストレスフリーで充実感のある
生き方ができるというわけです。
ちなみに、名詞は流行語になりますが、
動詞は流行語にならないそうです。
なぜなら、動詞は人間の本能と関わり深い、
太古から意識されてきた普遍性のある言葉だからのようです。

私が、気になったのは石黒さんの
「分類王」というプロフィールです。
その特性が現れているのが、本書の「分ける」の章です。
「いかなるジャンルのモノやコトでも、
できる限り細分化してランキングしてみましょう。」
この訓練を積むことで、クリアしたい問題を提示されたときに、
その傾向をパターン分類できるので、対策が立てやすくなるそうです。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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