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ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

テレビショッピングは、なぜ値段を最後に言うのか?

2013年03月15日
マーケティング・営業 1
テレビショッピングは、なぜ値段を最後に言うのか?テレビショッピングは、なぜ値段を最後に言うのか?
(2013/01/25)
理央 周

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満足度★★★
付箋数:21

本書は、現場で使えるマーケティングを物語形式で学ぶ本。

著者は『最速で結果を出す人の「戦略的」時間術』を
当ブログでも紹介したこともある理央周さん。

本書では、マーケティングを「売れる仕組みを創り出す」という
誰にでもわかる言葉で定義します。

そして、売り手目線ではなく、お客様目線で、
新しい考えを仕事に取り入れていくことを学びます。

本書のタイトルも、思わず手にとってしまいたくなる
ネーミングですが、各章にも同じような前のめりで
聞きたくなるようなタイトルが付けられているので、
その中からいくつか紹介します。

  Part3 小学生は、なぜDSで写真を撮るのか?
  Part4 iPhoneといちご大福は同じ理由で売れれいる!
  Part6 マルボロのCMは、なぜカウボーイが出てくるのか?
  Part8 なぜデジカメが欲しいとき、ヤマダ電機に行くのか?
  Part9 今どきの女子会は、なぜ神楽坂の焼き鳥屋なのか?

本書の舞台は、日本最大の広告代理店の博電堂。

そこにヘッドハントされ、鳴り物入りで営業マンとして、
やってきたのが主人公の伊藤新一(29歳)。

新一は、東大卒業で、外資系コンサル大手M社を経て、
ハーバードでMBAを取った、少々頭でっかちなキャラクターです。

本書は、知識や理論だけで、現場を知らなかった新一が、
クライアントに何度も怒鳴れれながら、
顧客視点を持ち、マーケティングの本質を学ぶストーリー。

同僚で年下の阪本奈美(24歳)やMBA仲間の吉川美恵子(28歳)
に助けられ、懐の深い上司の玉木洋介(45歳)に見守られながら
少しずつ新一はマーケターとして成長します。

新一は、MBAで学んだマーケティング理論だけでは、
実践で通用しないことがわかり、
何を・誰に・どうやって売るかをシンプルに考え抜き、
売れる仕組みをクライアントへ提案していきます。

新一の成長に合わせて、現場に必要なマーケティングが
段階を経て、わかりやすく学べるようになっています。

よくできた物語ですが、私が本書を読んで感じたのが、
主人公の新一がアホ過ぎるということ。

ハーバードMBAにしては、ずいぶん知性や学習能力が
足りないように感じます。

空気は読めないが、ヤル気だけはあって、
最初は、生意気で鼻持ちならないように感じるけれど、
付き合ってみると、意外と素直でいいヤツ。

もちろん、こんな新一のキャラの個性を
際立たせるためのデフォルメです。

しかし、理央さんは、新一がハーバードMBAであることは、
「世界ナンバー1であるビジネス・スクールであるという
尊敬の念を込めて」設定したと、あえて書いています。

私は逆に、そこに何か意図があるように勘ぐってしまいます。

この本から何を活かすか?

本書の値段を最後に言う通販として登場するのが、
「ジャパネットたかた」です。

本書では、ジャパネットが仕掛ける、買いたくなる手法を
顧客心理や行動経済学の面から解説しています。

マーケティングの基本原則に当てはめるだけなく、
もう少し詳しくその内側を知りたい方には、
次の本も参考なります。

ジャパネットからなぜ買いたくなるのか?

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

コメント1件

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理央周

お礼

ご紹介いただきありがとうございます。
私にとって初のマーケティングを主のテーマにした本でした。
主人公の新一の件は、、、若いころMBAが万能だと勘違いしていた私自身をモデルにしています。

2013年03月19日 (火) 09:15