活かす読書
ikadoku

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心をつかみ人を動かす 説明の技術

2013年03月12日
コミュニケーション 0
心をつかみ人を動かす 説明の技術心をつかみ人を動かす 説明の技術
(2013/02/28)
木田 知廣

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満足度★★★
付箋数:24

著者の木田知廣さんに献本いただきました。
ありがとうございます。

当ブログでは、以前、木田さんの
ほんとうに使える論理思考の技術
を紹介したことがあります。

この本は、「イタい」論理思考に陥らないための、
論理でつかみ、心理で動かす技術がまとめられていました。

今回の著書のテーマは、相手に「説明する技術」。

心をつかみ人を動かす方法が、
「伝え方」を切り口にまとめられています。

  「モノゴトを相手にちゃんとわかってもらおうという
  “説明の技術” の本質は、相手の立場になって
  一番知りたい項目を教えてあげることです。」

これは、木田さんが本書の読者に伝える場合も同じこと。

本書の読者は、当然、説明力をアップさせたいと
思っている人が多いはず。

そこで、本書では、なぜその方法が効くかの詳しい解説は
後回しにして、冒頭で「明日から使える特効薬」として、
即効性のある3つの方法を紹介しています。

  1. 相手の既知情報をもとにした「たとえ話」を使った説明
  2. 「東京ドーム○個分」といったモノサシを提供する方法
  3. 専門用語が必要な場合の、「専門用語のあと出し法」

いずれも簡単な割に効果抜群の方法のようです。

相手に説明する場合、実際に「たとえ話」を使う人も
多いかもしれませんが、逆にそれでわかりにくくなってしまう
場合もあります。

ポイントは、聞き手の既に知っている情報を推し量り、
こちらの伝えたい情報にヒモづけていくこと。

本書では、スマホを使ったマーケティングプランを
部長に説明する例が紹介されていました。

  「町中の “ティッシュ配り” がありますが、
  今回のサービスはそれと同じと考えてもらえばけっこうです。」

部長としては、集客や売上アップにつながる話を聞きたいわけで、
ネットやスマホの技術的な話を聞きたいわけではありません。

そんな時は、部長が知っているティッシュ配りという
既存のマーケティング手法にたとえ、
更にスマホを使うことで、どんなメリットがあるかを説明すると、
ブリッジング効果で、部長にわかってもらえるというわけです。

また、本書では表面的な技術にとどまらず、
聞き手の「脳内マップを書きかえる」といった、
心理面の一歩深いところまで踏み込んで説明しているのが、
既存のコミュニケーション本とは違うところ。

これはテクニックというより、説明の技術の背後にある理論です。

  ・「分ける」と「わかる」~セグメンティング
  ・未知の情報を既知の情報とヒモづける ~ ペアリング
  ・ものごとの裏の共通項を見つける ~ ソーティング
  ・情報の位置づけを整理する ~ グレーディング
  ・知らないことに気づかせる ~ クリアリング

これらの「相手の脳内マップを書きかえる」5つの理論が
ベースにあるからこそ、様々なテクニックが生きてくるのでしょう。

この本から何を活かすか?

  「やらないほうがましなパワポでピラミッド」

ロジカル・シンキングで定番として使われる
「ピラミッド・ストラクチャ」。

木田さんは、ピラミッド・ストラクチャを作る時に、
パワーポイントを使ってはいけないと言います。

ピラミッド・ストラクチャで大切なのは、
何度も修正しながら精度の高い論理構成を作ること。

パワポでピラミッド・ストラクチャを作ると、
何度もテキストボックスを描いて、
線をつなぎなおす面倒な作業が発生します。

ですから、木田さんはワードなどの「インデント機能」の
簡易的なストラクチャ構造を使って、
論理構成を練り上げることを推奨しています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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    2013.03.15 (Fri) 09:05 | シンメトリー・ジャパン