孤高の相場師 リバモア流投機術
孤高の相場師リバモア流投機術―大恐慌を売り切った増し玉の極意
(2007/12/04)
ジェシー・ローリストン・リバモア 商品詳細を見る
満足度★★★★
ベンジャミン・グレアムさんの名著が「賢明なる“投資”家」なら、
本書は、さしずめ「賢明なる“投機”家」といったところでしょう。
投機家ジェシー・リバモアさんは、下げ相場に強く、
大恐慌時に徹底的に空売りを仕掛け、巨万の富を得ました。
また、生涯のうち4度も破産し、最期は自殺によって一生を終えるという
壮絶な人生を歩んだことから、伝説の相場師と言われています。
本書は、そのリバモアさん本人が書いた、トレードの手引書です。
パンローリング社から出版される本は、
割と高価なイメージがありますが、
本書は文庫本なので、お手ごろな価格です。
全体で180ページ程度の本ですが、
40ページはリバモアさん手書きの「場帳」と、トレードルールの解説に
当てられているので、目次や監修者の言葉を除くと、
リバモアさんの本人の文章は、実質100ページ程度です。
しかし、この短い中にもマーケットに向かう心構えが、
多くの経験に裏打ちされた、重い言葉によって綴られています。
その派手な生き様から、
天性のカンによるトレードをしたと思われがちですが、
徹底的なデータ検証と、確実なタイミングを待つ忍耐力を強調していた点が、
本書の中で、なにより印象的でした。
文庫本なので、もう少し紙質を落として、価格を下げてくれると
ありがたのですが、それでもコストパフォーマンスの高い一冊です。
リバモアさんについて、もう少し詳しく知りたい方は、
今はもう更新をされていませんが、J_Coffeeさんのサイトが参考になります。
私も、かつてJ_Coffeeさんのマーケット分析と、
その文章力に魅了され、よくサイトを訪れていました。
復活しないかな~ この本から何を活かすか?
リバモアさんは、「私に言わせれば、投資家はビックギャンブラーだ」
と言っています。
私の友人には、投資は善、投機は悪というイメージで、
十分な調査や研究をせず、思いつきで株を買い持ちして、
「投資だから安心」と、勝手に思い込んでいる人もいます。
徹底した調査とタイミングを考えない投資は、いくら本人が自称投資家でも、
それは投機より、リスクの高いギャンブルに過ぎません。
本書の第1章は、そういった意味で「投資」に興味がある人にとっても、
「投機」に興味がある人にとっても、示唆の多い内容になっています。
本書を友人のTさんへ、プレゼントしようと思います。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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