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クオリティ国家という戦略

クオリティ国家という戦略 これが日本の生きる道クオリティ国家という戦略 これが日本の生きる道
(2013/01/15)
大前研一

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満足度★★★
付箋数:22

  「本書はこれまで私が上梓した中でも、『新・国富論
  『平成維新』 『地域国家論』など道州制の導入と霞ヶ関の
  解体を軸にゼロベースの新しい国家モデル構築を提言してきた
  シリーズに連なる、エポック・メイキングな1冊となる。」

大前研一さんは、以前から道州制の導入を説いていますが、
最近では一部の政治家や識者の中でも、
道州制を主張する方々が出てきました。

しかし、同じ道州制という言葉を使っていても、
その中身は似て非なるものです。

最近言われている道州制は、目的があくまでも行政の効率化。

大前さんが提言してきた道州制も、もちろん効率化はできますが、
グローバル市場に出て行くために、
小回りが利く最適な単位になることが一番の目的です。

本書で大前さんは、世界で繁栄する国を2つのタイプに分けています。

ひとつは経済規模が巨大で、人口・労働力のボリュームと
低コストの人件費を強みとする工業国家モデルの「ボリューム国家」。

BRICsなどが、ボリューム国家に当たります。

そしてもうひとつが、本書のタイトルにもなっている
「クオリティ国家」。

こちらは経済規模が小さく、人口が300万~1000万人で、
1人当りのGDPが400万円以上で、世界の繁栄を取り込むのがうまい国。

小粒でもぴりりと辛く、世界に伍していく競争力を持ち、
規模の拡大よりも質の向上を目指す国家です。

具体的には、スイス、シンガポール、フィンランド、スウェーデン
など国際競争力ランキング上位の国を指します。

実はボリューム国家と見られがちのアメリカと中国は、
クオリティ国家の集合体。

各州や省、地域、市などが独自の強みを持った
都市国家モデルとして機能しています。

日本の道州制が目指すのも、単なる行政単位の変更ではなく、
地域の独自性を磨き上げて世界に出て行く、
あるいは、世界から人とお金を呼び込む
クオリティ国家になることです。

本書ではクオリティ国家の事例研究として、
スイス、シンガポールの2ヶ国について、
かなりのページを割き、詳細にレポートされていました。

大前さんの場合、数字での分析にとどまらず、
現地視察をして自分の目で実態を見ていますから、
強さの秘密がリアルに伝わってきます。

2カ国とも、税制や規制緩和、あるいは産業振興といった
経済に直接関わる面よりも、将来への投資として、
国を作るための「教育」に力を入れていることが特徴的。

クオリティ国家と呼ぶには、若干違和感もありますが、
本書で「韓国」の英語教育が取り上げられていたもの
やはり教育の重要性があってのことでしょう。

本書では最終章で、日本の進むべき道として、
道州制を元にしたクオリティ国家戦略が述べられています。

北海道は観光業で、アジアのスイスか、
高度農業国としてデンマークを目指す。

九州はハブ空港を作り、付加価値の高い観光産業を確立し、
ディスティネーション・ツーリズムと呼ばれる、
長期滞在型の観光を目玉とするクオリティ国家を作る。

ただし、これらの提言は、過去の大前さんの著書でも
何度か述べられてきましたから、
それほど目新しさを感じることはありません。

この本から何を活かすか?

本書で、大前さんが一番言いたかったのは、
自分の道州制を一番理解していて、アドバイスもしていた
橋下徹さんが、国政に色気を出してしまったので、
本書を読んで「初心に帰れ」ということだと思います。

言わば大前さんから、橋下さんへの私的なメッセージ。

私も橋下さんが石原慎太郎さんと手を組むのは、
いただけないと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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