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僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。

僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。――東大発バイオベンチャー「ユーグレナ」のとてつもない挑戦僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。――東大発バイオベンチャー「ユーグレナ」のとてつもない挑戦
(2012/12/19)
出雲 充

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満足度★★★★
付箋数:25

東京大学名誉教授近藤次郎さんが1989年に発表した論文、
「地球環境を閉鎖・循環型生態系として配慮した食糧生産システム
ユーグレナの食糧資源化に関する研究」。

そこにはユーグレナを大量に培養して、栄養豊富な食料として
利用すること、またユーグレナが光合成で作ったエネルギーを
精製て燃料として利用できること、更に二酸化炭素を吸収させ
地球温暖化を食い止めることができると述べられていました。

ユーグレナとは学術名で、私たちが「ミドリムシ」として
知っている、理科の授業で習う単細胞生物です。

藻の一種であるミドリムシは、体内に葉緑素を備え
光合成を行うので、植物性の栄養素を作り出します。

それと同時に、自ら動く性質も持ち、動物性栄養素も作り出します。

その大量培養を行うことで、人類そして地球が抱える
食糧問題、エネルギー問題、温暖化問題の3つを
同時に解決できる可能性があると期待されていました。

日本政府は、国家プロジェクトとして1980年代にスタートさせた
ニューサンシャイン計画(サンシャイン計画)の一環として、
ミドリムシの本格的な研究を開始します。

しかし、政府の進めたこの計画は2000年に頓挫。

それは、いくらミドリムシが栄養源・エネルギー源として優れ、
温暖化防止に役だっても、その大量培養ができなかったからです。

当時の技術で研究室内では、「月産耳かき1杯」程度の
ミドリムシしか生産できなかったのです。

では、なぜ自然界に大量に存在するミドリムシの
純粋培養が、そんなに難しいのか?

その理由は、ミドリムシが「美味しすぎる」から。

ミドリムシは食物連鎖の最下層。

私たちが口にする肉や魚なども、すべての栄養素の元をたどれば、
ミドリムシに行き着くといっても過言ではありません。

だから、栄養価の高いミドリムシを培養していると、
他の微生物が侵入してきて、あっという間にミドリムシを
食い尽くしてしまうのです。

生物をやっている方にはお馴染みの、いわゆるコンタミです。

このミドリムシの大量培養の技術は困難を極め、
日本がニューサンシャイン計画に取り組んでいた当時、
世界でも成功例はありませんでした。

本書は、そんな「ミドリムシが地球を救う」ことに賭けた、
男たちの挑戦の物語です。

主人公は、本書の著者でもある1980年生まれの出雲充さん。

出雲さんが始めた、東大発バイオベンチャー
株式会社ユーグレナ」の「プロジェクトX」です。

本書の物語は大きく2つのパートに分かれます。

前半は、条件が整わない中、発想の転換で、
ミドリムシの大量培養に成功するまでの物語。

後半は、大量培養に成功した後に直面する、
ビジネスとして事業化の困難な壁を乗り越えて、
成功するまでの物語。

事実は小説より奇なりという言葉がピッタリの
ドラマチックな展開で、疾走感もあります。

主役の出雲さん以外にも、リスクを恐れない
男気ある面々が登場し脇を固めます。

更に堀江貴文さんや、成毛眞さんも登場。

そして、ミドリムシにすべてを賭けた出雲さんからの
熱いメッセージも伝わってきます。

  「この本で僕が語りたいのは、
  “どんなちっぽけなものにも可能性があり、
  それを追い求めていれば、やがてその努力は報われる”
  ということの、僕なりの証明だ。」

この本から何を活かすか?

ミドリムシの持つ栄養価が、微生物の中では最も高くても、
実際のところ、私たち日本人がサプリメントとして、
ミドリムシを飲用する必要性は、あまりないように感じます。

やはり、出雲さんが18歳のときにグラミン銀行の
インターンシップで行ったバングラデシュのような、
コメはあるけれど、他の栄養素が全く足りていない国でこそ、
真価を発揮するのでしょう。

ですから、日本というより、世界を救うという意味で、
株式会社ユーグレナ」は応援していきたいと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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