30ポイントで身につく! 「戦略シナリオ」の技術
![]() | 30ポイントで身につく! 「戦略シナリオ」の技術 (2012/12/16) HRインスティテュート 商品詳細を見る |
満足度★★★
付箋数:20
野口吉昭さん率いるコンサルティングファーム、
HRインスティテュート著で、2012年3月に刊行された
『30ポイントで身につく!「ロジカルシンキング」の技術』の続編。
今回のテーマは、「戦略のシナリオ化」です。
まず、シナリオ化する前に、そもそも戦略とは何なのか?
本書での定義は、「フォーカス&ディープ!」。
勝つために、強みとなる「軸」を明確にし、そこを深める指針。
一般的な表現を使うと、「選択と集中」でしょうか。
米ゼネラル・エレクトリック社のCEOだった
ジャック・ウェルチさんの得意とする手法ですね。
本書では押さえておきたい基本の戦略論として、
孫子の兵法、ランチェスター戦略、
マイケル・ポーターさんの競争戦略、
ジェイ・バーニーさんの内部資源理論の4つを挙げています。
しかし、立てた戦略がいくら素晴らしくても、
それが共有されなければ、単なる絵に描いた餅。
現場の人にわかりやくす伝え、実行しやすくするために、
戦略をシナリオ化することが必要です。
更に戦略だけでなく、ミッション、ビジョン、ロードマップを
そのシナリオに織り込むことで、
現場での日々の行動に結びつけることができるのです。
本書では戦略のシナリオ化の技術を30のポイントにまとめて解説。
まずは、「戦略を立案するポイント」として、
4項目に分けて25ポイントを説明。
・理念、目標設定編
・戦略分析編
・戦略策定編
・戦略実行編
それに「戦略的なリーダーになるための五つのポイント」
を加えて解説します。
各ポイントでは、「実践のコツ」と「企業実践ケース」が
紹介されています。
さすがにHRインスティテュートが執筆しているだけあって、
翻訳物の戦略書にありがちな、ケース紹介が海外の企業ばかり
ということはありません。
ケースのほとんどが国内企業なのでイメージしやすく、
リブセンス、ライフネット生命、レアジョブなど、
時代に合った新しい企業も紹介されているのが良い所です。
たまたま私の場合は、昨日、池田信太朗さんの
『個を動かす』を読んで、新浪剛史さんのローソン改革について
知ったばかりだったので、その内容を本書のポイントに
重ねあわせて読みました。
すると、ローソンが本書に紹介されているポイントを
1つ1つ実践していることがよくわかりました。
本書は、ポイント1から30までを順番にやっていくと、
自動的に戦略のシナリオ化ができるというタイプの
本ではありません。
ですから、戦略を立てて実践に移行するうえでの、
参考書として利用するのが良いと思います。

「目に見えないものを見ようとする」
本書では成功の歓喜の中で、しっかりと自社の課題に目を向け、
次に向けうべき道に舵を切った例として、名古屋を拠点とする
通販会社、オークローンマーケティングが紹介されていました。
2006年に大ヒットした「ビリーズブートキャンプ」を
リリースした会社です。
同社は、あの大ヒットの中、消費者が使い続けられるような
サポートをするために、コールセンターの拡充に
資源を投下したそうです。
オークローンマーケティング社が、その後、
どんな商品を通販しているのか見てみようと思います。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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