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ikadoku

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決算書が読めない社員はいらない

2013年02月07日
会計・ファイナンス・企業分析 0
決算書が読めない社員はいらない決算書が読めない社員はいらない
(2012/12/13)
木村 俊治

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満足度★★★
付箋数:20

タイトルのような過激な内容ではありあせん。
中身はいたって実用的な財務諸表の読み方を解説する本。

  「私は公認会計士です。ですから、仕事の中で様々な決算書を
  読む機会がありますが、最初から決算書を読めたわけでは
  ありません。 “決算書を読めるようになった” と初めて思えた
  のは、会計士として仕事をして5~6年たってからだと思います。」

難関の会計士の試験に合格して、実務についていた
木村俊治さんでさえ、「決算書を読めたつもり」に
なっていたようですから、本当の意味で決算書を読める人は、
意外と少ないのかもしれません。

当時の木村さんが、「決算書を読めたつもり」になっていた
原因を次のように振り返っています。

  1. そもそも決算書を読むことの意味を知らなかった

  2. 決算書を読むための順序・コツ、そして分析手法の重要度を
    知らずに、無謀にも決算書をよもうとしてしまった

  3. 決算書を読めることのメリット、読めないことのデメリットを
    知らなかった

この3つのいずれかに該当する方は、本書を読む価値があります。

なぜなら、決算書を読めるようになることは、
仮に今は仕事上で経営分析をする立場になくても、
長い仕事人生の中で、必ず役立つことがあるからです。

もちろん、仕事以外でもファンダメンタルズ分析には、
財務諸表の読み込みは必須ですから、
株式投資をする場合にも、本書は非常に役に立ちます。

本書では3ステップで決算書を学びます。

  用語を理解する → 決算書のルールを理解する → 実践する

ただし、本書は「世界一やさしい」とか「サルでもわかる」
といったイラストをふんだんに使った、
概念を理解することだけを目的とした本ではありません。

決算書に出てくる用語を全く聞いたことのない人が、
初めて本書で学ぶことは、無理とは言いませんが、
結構ハードルが高いと思います。

本書を読む前に、超初心者用の決算書入門本を
一冊読んでおいた方が、スッと入っていけるでしょう。

  第1章 決算書は2時間で読めるようになる
  第2章 損益計算書は5つの利益を読む
  第3章 貸借対照表は3つのブロックの関連性を見る
  第4章 キャッシュ・フロー計算書は3つに分ける
  第5章 財務3表のつながりから見えてくること
  第6章 収益性と安全性の分析手法
  第7章 経営状況を推察する比較分析
  第8章 決算書をもっと上手に利用するために

本書自体は2時間で読めても、
ゼロの状態から2時間で決算書を読めるようにはならない
というのが、私の正直な感想です。

会計に関わらない一般人のレベルで言うと、
用語解説や財務諸表の構成を解説した後の「応答編」が、
本書では第6章~第8章に当たります。

全体の構成で見ても、この3つの章に60%近いページを
割いていますから、かなり実践的な内容の本だと言えます。

各章では、最初に「見るべきポイント」が
簡潔にまとめられているので、何を目的にその項目を学ぶのかが
わかるようになっているのがイイですね。

この本から何を活かすか?

本書の経営分析パートで実例として財務諸表が
取り上げられていたのが、ライバル関係にある
「ゼンショー(すき家)」、「吉野家」、「松屋」の3社でした。

牛丼の味の好みは別として、投資対象として
財務諸表を見るなら、この3社では「すき家」が魅力的。

もちろん、株式投資でファンダメンタルズ分析をするなら、
1株あたりの利益や、現在の株価が割高なのか割安なのか
なども考えなければなりません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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