活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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ファスト&スロー (上)(下)

ファスト&スロー (上): あなたの意思はどのように決まるか?ファスト&スロー (上): あなたの意思はどのように決まるか?
(2012/11/22)
ダニエル・カーネマン

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ファスト&スロー (下): あなたの意思はどのように決まるか?ファスト&スロー (下): あなたの意思はどのように決まるか?
(2012/11/22)
ダニエル・カーネマン

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満足度★★★★
付箋数:48(上25、下23)

私たちは毎日、数多くの意思決定をしています。

その中には、「直感」とよばれる自動的な判断と、
「意識」して考えた論理的な判断の2つがあります。

この2つの意思決定のシステムは、どのように役割分担をし、
どのような相互関係があるのでしょうか?

本書は心理学者にして2002年にノーベル経済学賞を受賞した
ダニエル・カーネマンさんによる、
私たちの意思決定の仕組みを解き明かす本。

  「本書は、エイモスと私が行った以前の共同研究を
  解説することが目的ではない。
  そちらは、これまでに多くの研究者がやってくれている。
  本書で私がめざすのは、認知心理学と社会心理学の
  新たな出発点を踏まえて、脳の働きが今日どのように
  捉えられているかを紹介することである。
  この分野におけるとくに重要な進歩の一つとして、
  直感的思考の驚嘆すべき点とともに、
  その欠陥が明らかになってきたことが挙げられる。」

エイモスとは、カーネマンさんの共同研究者で心理学者の
エイモス・トヴェルスキーさんのことです。

残念ながらトヴェルスキーさんは1996年に59歳の若さで、
亡くなりましたので、生存者対象の規定により、
ノーベル賞の受賞はしていません。

しかし、本書を読むと、どれだけトヴェルスキーさんが、
2人の共同研究において重要な役割を果たしていたかがわかります。

この2人が創設した行動経済学。

今や日本でも、行動経済学やプロスペクト理論を解説する本が
数多く刊行されていますが、こちらは本家本元。

実験結果や実例をふんだんに交え、詳細に解説されています。

本書では、私たちの2つの思考モードにキャラクターを与えます。

「システム1」は、自動的に高速で働くファスト思考。
努力は必要なく、コントロールしている感覚さえありません。

「システム2」は、意識的に論理的に働くスロー思考。
こちらは注意力や努力を必要とする、制御されたシステムです。

本書のタイトル「ファスト&スロー」も、ここからきていて、
この内、本書の主人公となるのは、「システム1」の方です。

本書は上巻370ページ、下巻350ページに分かれ、
全体は5部構成になっています。

  第1部 二つのシステム
  第2部 ヒューリスティックとバイアス
  第3部 自信過剰
  第4部 選択
  第5部 二つの自己

ちなみに、プロスペクト理論が解説されているのは第4部。

また、巻末には、ノーベル賞の選考委員会が
受賞の実績として挙げた、トヴェルスキーさんと共同執筆した
2本の論文も掲載されています。

ノーベル賞を受賞した論文と聞くと、専門家しか読めないような
難解な内容かと思いましたが、意外に普通に読めました。

もちろん本文と比べると、表現がシンプルなので、
それほどわかりやくはありませんが、読めないことはありません。

平易に書かれている本文を読んだ後で、
内容をある程度理解したうえで、読むことが前提ですが。

本書は、上下巻あわせると700ページのボリュームなので、
私も読み切るのに、金曜から日曜まで3日かかりました。

この本から何を活かすか?

  「次の問題をよく読み、質問に直感的に答えてほしい。

  夜、一台のタクシーがひき逃げをしました。
  この市では、緑タクシーと青タクシーの二社が営業しています。
  事件とタクシー会社については、次の情報が与えられています。

    ・市内を走るタクシーの85%は緑タクシーで、
     15%は青タクシーである。

    ・目撃者は、タクシーが青だったと証言している。
     裁判所は、事件当時と同じ状況で目撃者の信頼性を
     テストした結果、この目撃者は緑か青かを80%の頻度で
     正しく識別し、20%の頻度で識別できなかった。

  では、ひき逃げをしたのが青タクシーである確率は何%でしょうか?」

これは本書に掲載されていた、ベイズ推定の標準的な問題。

私の「直感」は、まんまと引っ掛かってしまいました。

この問題、最も多い間違えは「80%」。

しかし、ベイズ・ルールに従って計算した正解は「41%」です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 経済・行動経済学 | 06:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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