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ikadoku

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論理が伝わる 世界標準の「書く技術」

2012年12月19日
文章術 0
論理が伝わる 世界標準の「書く技術」 (ブルーバックス)論理が伝わる 世界標準の「書く技術」 (ブルーバックス)
(2012/11/21)
倉島 保美

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満足度★★★★
付箋数:25

本書の目的は「伝わる文章」を書く技術を学習することです。

「伝わる文章」の条件は3つ。

 1. 大事なポイントが30秒で伝わる
 2. 詳細もごく短い時間で読める
 3. 内容が論理的で説得力を持つ

この3条件を満たす文章の書き方が、
本書で解説される「パラグラフ・ライティング」です。

これは、欧米では「テクニカル・ライティング」とか、
「アカデミック・ライティング」と呼ばれ、
1年間かけて学ぶ論理的な文章の書き方です。

その授業の中心概念が「パラグラフ」。

「パラグラフ」とは、1つのトピックを説明した文の固まりです。

段落と似ていますが、必ず「要約文」+「補足情報」という
要素で構成され、1パラグラフ1トピックというルールがあります。

そして、文章全体は「総論」、「各論」、「結論」で構成されます。

最初に「総論」のパラグラフがあり、
そこでは文章全体の概要が述べられます。

これは読み手に「メンタルモデル」を明確に作らせるため。

「メンタルモデル」とは、人が情報を高速で処理するために
頭の中で作る自分なりの理解です。

最初に概要を読むことで、関連情報を自分の記憶から引き出し、
知っていることはショートカットして、
その情報を高速で処理することができるのです。

また、「総論」に続く「各論」や「結論」も、
最初に要約文が書かれたパラグラフで構成されますから、
読み手はその部分を読んだだけで、読み進めるか、
読み飛ばすかを瞬時に判断できるのです。

予備知識がある人は、先頭の要約文だけを読み、
補足情報は読み飛ばすことで時間を節約し、
予備知識がない人は、補足情報まで読んで、
より深く理解できるように書かれているのです。

では、「パラグラフ・ライティング」は、どのように書くのか?

それは本書で説明される、次の7つのルールに従って書きます。

  1. 総論のパラグラフで始める
  2. 1つのトピックだけを述べる
  3. 要約文で始める
  4. 補足情報で補強する
  5. パラグラフを接続する
  6. パラグラフを揃えて表現する
  7. 既知から未知の流れでつなぐ

  「伝わらない文章を書いてしまうのは、
  たくさん書けば自然と身につくと思い込んでいることも原因です。
  文章はたくさん書いても上達しません。」

文章を書いていれば、いつかは上達すると
漠然と思っていた私には、ちょっとショックな言葉でした。

「パラグラフ・ライティング」は是非、身につけたいスキルです。

ちなみに、本書自体も「パラグラフ・ライティング」を
使って書かれていますから非常に読みやすい。

著者の倉島保美さんは、その効果を身を持って証明しています。

この本から何を活かすか?

伝わる文書が書けなかったために大問題となった事例。

本書のまえがきで、倉島さんはNASAの驚くべき事例を紹介しています。

1986年のスペースシャトル・チャレンジャー号の爆発事故。

シャトルは発射直後に爆発事故を起こし、
搭乗していた宇宙飛行士7人全員が死亡しました。

実は事故前に、技術上の欠陥があることを指摘したレポートが、
エンジニアから上司に送られていました。

しかし、上司はそのレポートを無視して、シャトルを打ち上げます。

その結果、あの悲惨な事故が起こってしまいました。

事故後、レポートを無視した上司は、裁判で訴えられます。

しかし、判決は無罪。

なぜ、レポートを無視した上司は、罪を問われなかったのか?

それは、上司側の次の主張が認められたからです。

  「レポートの書き方が悪かったので、
  事態の深刻さが把握できなかった」

いかにもアメリカらしい事例ですが、
伝わる文章が書けるかどうかは、
人命にも関わるということなんですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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