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生命と記憶のパラドクス

生命と記憶のパラドクス 福岡ハカセ、66の小さな発見生命と記憶のパラドクス 福岡ハカセ、66の小さな発見
(2012/09/12)
福岡 伸一

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満足度★★★
付箋数:15

本書は、福岡伸一さんが「週刊文春」に連載中の
「パラレルターンパラドクス」を書籍化した第2弾です。

第1弾は「ルリボシカミキリの青」として2010年4月に刊行済み。

今回は、2010年3月11日号から2011年9月8日号まで
の連載分がまとめられています。

  「そういう福岡ハカセも、実は2012年の春、理系を卒業しました。
  同じ学内で “文転” することにしたのです。(中略)
  もともと福岡ハカセは昆虫少年としてファーブルやドリトル先生や
  今西錦司にあこがれていた。彼らは自らのことをナチュラリストと
  名乗っていた。だからここで私もちょっとライフチェンジして、
  分子生物学者からふつうの生物学者(ナチュラリスト)に戻ろう。
  そう思うに至ったのです。」

確かに福岡伸一さんの現在のプロフィールは、
「分子生物学者」ではなく、「生物学者」になっています。

それを理系を卒業した「文転」と呼ぶのはどうかと思いますが、
福岡さんとしては、もっと統合的に生命のことを考え、
文化や社会とのかかわりの中で生命感を深めたいと考えているようです。

これだけ文章のウマイ福岡さんですから、
本当の意味で「文転」しても全く違和感がありません。

しかし、最先端の分子生物学の研究をやめてしまうと、
福岡さんの作品の根底にある「動的平衡」であったり、
ミクロレベルの視点が薄らいでしまうような気がしてなりません。

また、生命についての啓蒙活動の一環として、
福岡さんが本を執筆する機会が増えると思いますが、
それはあくまで本書のようなエッセイが中心だと思います。

長編を書くには、それなりのエネルギーが必要で、
個人的には福岡さんが長編を書く源は、
科学者としての研究活動にあったように思えます。

そう考えると、今後「生物と無生物のあいだ」のような傑作は
生まれないのではないかと心配てしまします。

  「どんな文章であっても、何かを書くとき、知らず知らずのうちに
  私はいつもそのつながりを求めている。
  その手触りを探している。そんな気がする。
  散らばった記憶の断片。消えてしまった記憶の痕跡。
  このエッセイ集もまた、かつてそこにあり、
  今や失われてしまった何かを紡ぎ合わせるために書かれたものである。」

福岡さんのエッセイは、科学的であり、情緒的でもあります。

しかし、紡ぎ合って生まれるストーリーは、
エッセイと長編では、まったく次元が違います。

手軽な30分のテレビ番組と、撮影にこだわった映画くらいの
違いがあります。

福岡さんには、また長編も書いて欲しい。

エッセイを読むと、かえってそう思ってしまいますが、
あまり、ないものねだりせず、エッセイだけでも
読めることに幸せを感じた方がいいのかもしれません。

この本から何を活かすか?

  「福岡ハカセは学生たちにいう。
  人間はひとりで生きているわけじゃないよ。
  人間という字は人の間と書く。
  人という字は、二本の棒が支えあっている・・・・
  こんな風に、金八先生みたいなことをいいたいのではありません。
  ヒトの細胞は約60兆個。彼らが互いに協調し、日々、
  自らを更新しているので私たちは健康でいられる。」

福岡さんが言っている、私たちが互いに協力している
相手とは消化管の中にいる腸内細菌。

腸内細菌は、ヒトの細胞の2~3倍いると推定され、
私たちに「寄生」しているのではなく、
「共生」していると説明されています。

最近、私はお腹の調子がいまひとつ。

腸内細菌との「共生」がうまくいっていないということでしょうか。

福岡さんのように科学的発想を持って、
ヨーグルトを食べてみることにします。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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